マレン米統合參謀本部議長は8日、2011年度「國家軍事戦略」を発表した。內容の改定は2004年以來だ。「米國の軍事的リーダーシップを再定義」することで「試練に満ちた新たな時代」に対応するとしている。また、イラクとアフガニスタンでの任務完遂の必要性を強調すると同時に、アジア太平洋の大國の臺頭や「サイバー戦の脅威」を始めとする世界の戦略環境の変化や新しいタイプの戦爭による試練を重視する內容となっている。
新戦略は「ますます多くの國家及び非國家主體が重大な影響力を示すようになっている。このパワー分布の変化は、外交?軍事?経済力に基づき変化する利益駆動型の連合の集まりである『多極』世界への移行を示すものだ。また、債務が米國に安全上の重大なリスクをもたらしている。だが米國は依然として世界に冠たる軍事?経済大國であり続ける」としている。
また「グローバル?コモンズ(海洋、大気圏、宇宙を含む)及びサイバー空間のアクセスと通行の自由への國家及び非國家主體からの挑戦が増大し続けている。國際システムにおけるテロリスト、犯罪ネットワーク、海賊の暴力行為が増加し、主権國家の対処能力への試練となっている。人口増加、水資源不足、気候変動等のグローバルな問題も不安定要素だ」と指摘している。
こうした戦略環境の変化に対して、米軍は軍事目標として「過激派への対抗」「侵略の阻止及び撃退」「世界と地域の安全の強化」「未來の軍隊の構築」の4つを挙げている。「侵略の撃退」面では「特に宇宙空間とサイバー空間での効果的な行動能力の重要性が増している」、「世界と地域の安全の強化」面では同盟國との関係を深化するとともに、新たな主體とパートナーシップを構築すると強調している。
新戦略はアジア太平洋地域に非常に多くのページを割いている。アジアには「臺頭中の世界的大國が2つ」と「重要な地域大國が多く」あると指摘し、「世界経済におけるアジアの存在が高まり続けており、その戦略的地位の重要性も増している。今後數10年も米國は北東アジアにおける強大な軍事プレゼンスを維持し、日本や韓國との軍事関係を強化し、日韓の軍事協力を促す。また、東南アジアと南アジアに新たな注意と資源を投じる」としている。新戦略はさらに、アジア太平洋地域で「多國間演習の範囲と參與度を拡大し」、インド、フィリピン、タイ、ベトナムなどと軍事協力を展開するとしている。
新戦略は中國との軍事関係に特に一段落を割き、「米國は中國との積極的?協力的?包括的な関係の構築を追求し、中國が責任あるリーダーとしての役割を擔うことを歓迎する。米軍は中國軍とより深い関係を築くことで、理解を深め、誤解を減らし、誤った判斷を回避する」としている。だが新戦略には依然として古い考えの痕跡が殘っている。「中國軍の近代化の程度と戦略的意図への懸念」に言及しているうえ、宇宙空間、サイバー空間、黃海、東中國海、南中國海における中國の「過度の自信」を非難しているのだ。新戦略はさらに「米國とパートナー國の利益を守るため、米國はグローバル?コモンズ及びサイバー空間へのアクセスと利用、及び同盟國の安全を脅かすいかなる行動にも反対する」としている。この戦略文書が未來志向を強調しておきながら、その中から知恵を汲み取れていないことは明らかだ。
「人民網日本語版」2011年2月11日