世界で核を保有する5大國のうち、軍事用に用いる核原料の在庫量は中國が一番少ないことが、米ハーバード大學の最新の研究で明らかになった。同研究では、中國は80―90年代にウラン原子爐、プラトニウム原子爐の軍用建設を放棄し、民用建設に切り替えたと説明している。環球時報が9日付で伝えた。
インド紙タイムズ?オブ?インディアが8日、米ハーバード大學ケネディスクールの研究センターの研究報告として伝えたところによると、中國が現在保有する軍用ウランは16トン、プラトニウムは1.8トンで、これまでの推測されていたウラン26トン、プラトニウム6.6トンよりもかなり少ないことがわかった。同研究に攜わるハーバード大學の學者によると、中國は1987年にウラン原子爐の軍用建設を停止。1990年にはプラトニウム原子爐の軍用建設も放棄し、核開発を民間の原子力エネルギーに切り替えた。こうしたことは詳細な衛星寫真からも見て取れるという。さらに報告は詳しいデータを用いて、80年代からずっと稼動を続けていた中國蘭州の核工場は6トンクラスの核弾頭を組み立てることが可能で、中國の90%の軍用ウラン原子爐の建設を擔っていると見られていたが、1987年以降、軍用ウラン原子爐が稼動しなくなったという。また、軍用プラトニウム原子爐での生産は甘粛酒泉原子力エネルギー基地と四川の関連企業で行われていたが、ここ數年は酒泉基地だけで、軍用プラトニウム0.9トンを生産しているに過ぎない。
しかし、このハーバード大の研究結果にインドが安心することはなかった。同紙は、米エネルギー省から得たデータから、中國のプラトニウム原子爐の軍用建設規模は約1.7トンから2.8トンあると分析。これは保守的な推計である可能性もあるとし、「しかし中國の隣國で核を保有するインドにとって、核の脅威はまだ存在する」と言及した。さらに、中國の在庫核弾頭240発のうち、175発はどの部署でも使用可能で、65発は待機狀態にある。ほかの一部の弾頭は、それが核弾頭かどうかも定かではないと伝えた。
中國の現在の軍用核原料の在庫量は限られているが、近代化された現代では十分な量といえる。米國の防衛政策が変更され、より大規模なミサイル防衛システムや空中兵器が中國にねらいを定めれば、中國は大陸間ミサイルの生産規模を拡大し、軍用核開発に力を入れるようになるかもしれないと同紙はまとめている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年5月9日