タイで発行されている中國語紙「世界日報」は7日の社説で「日本の政界はわずか數日の間に、二転三転して予測不能な、騙し合いの大政治劇を演じた」と指摘した。社説の概要は以下の通り。
日本の政界はわずか數日の間に、一日に二転三転する、予測不能な騙し合いの大政治劇を演じた。まず野黨が6月1日に與黨民主黨の菅直人政権に不信任案を提出し、翌日に採決されることになった。この時民主黨の主要派閥の1つである小沢派は、菅首相が就任後に政治獻金問題で小沢一郎氏を冷遇したことへの恨みから、鳩山派と手を組んで菅首相に辭任を要求。辭任しない場合、與黨と連攜して不信任案に賛成票を投じ、菅政権を転覆させる姿勢を見せた。
これは危険な一手だった。不信任案が成立した場合、菅首相は総辭職か解散総選挙を選ぶ権利がある。総辭職の場合、民主黨は政権の座に留まり、他の人物を選んで組閣できる。だが菅首相が解散を選択した場合、総選挙で民主黨が勝利する見込みはないからだ。
このため大老の1人である鳩山由紀夫氏は採決前の2日午前に菅首相と30分間會談。震災復興基本法と第2次補正予算案の成立後に辭任する約束を取り付け、覚書も交した。
これで皆が安心して退陣要求を取り下げると考えた鳩山氏は、黨內にこの決定を伝え、菅首相への寛大な対応を求めた。民主黨が反対票を投じたため不信任案は反対293票、賛成152票で否決され、菅首相は難局を乗り切った。
だが一夜明けるとすぐにまた波風が立った。菅首相は鳩山氏からの早期辭任要求を承諾していないと言い出したのだ。3日午前の閣議で菅首相は2日に鳩山氏と交した覚書について、第2次補正予算の早期編成などを書いただけで、他の文言はないと指摘。さらに自ら述べた震災対策の「一定のめど」とは、原発の冷溫停止狀態のことだと述べた。これは年明けまでは辭任しないということだ。