■中國は他國の発展モデルを模倣しない
中國の事実をよく物語る2つの數字がある。1つは「過去30年間に4億人が貧困を脫した」、もう1つは「過去30年間に4億人が英語を學んだ」だ。この2つの數字の間には一見関係がないが、実はそうではない。4億人の中國人が英語を學んだことは、中國が常に改革開放を堅持し、國を閉ざさず、外國との協力を重視してきたことを物語っている。特に重視してきたのが資本や人材を含む外國からの進んだ科學技術や管理ノウハウの導入だ。まさにこのおかげで中國は4億人を貧困から脫卻させることができたのだ。さもなければ、このように大きな成果はなかった。少なくとも、これほど短期間では成し遂げられなかっただろう。
外國の良いやり方や進んだノウハウを學び、參考にすることと、他國のモデルを盲目的に模倣することとは別のことだ。中國は自國の実情に合った発展の道を歩み続けなければならない。これはその特殊な國情と発展水準により決定づけられている。人口數百萬、數千萬人の歐州の國に合った発展モデルが、中國で通用するとは限らない。例えばノルウェーの人口は400萬人余りに過ぎない。これは北京の朝陽區の人口に相當、または私の郷里の江蘇省揚州市ほどだ。しかもノルウェーの人口1人當たり石油?天然ガス資源量、森林資源量は恐らく中國の數百倍だ。一方は高速道路を高級車で走り、もう一方は高く険しい山なみを高速列車で走っているようなもので、全く別の話であり、同列に論じることはできない。中國と米國も比較できない。米國は世界の5%の人口で、世界の25%のエネルギーを消費している。もし全ての中國人が米國人のような暮らし方をしたら、地球は災難を蒙るに違いない。要するに世界に最良のモデルはなく、萬能のモデルもない。最も適したモデルがあるのみなのだ。
実際、中國の試みはすでに成果を上げ始めている。例えばわれわれは「一國二制度」によって香港とマカオの復帰の問題を解決した。郷鎮企業の振興と都市部への出稼ぎを組み合わせることで農村の余剰労働力の雇用問題を解決した。進んだ省?直轄市が被災地の各県を支援する方法によってわずか3年間で四川大地震後の復興事業を完了した。われわれは環境保護、都市化、食品安全など數多くの難題も抱えているが、これらも自らの方法によって解決策を探っていく。われわれはまた、絶えず時代に合わせた進歩の精神で改革を進め、発展理念を革新していく。例えばトウ小平氏には「白貓であれ黒貓であれ、鼠を捕るのが良い貓である」との名言がある?,F在では「貓の色も重要だ。みな『グリーン(環境にやさしい)の貓』をどんどん好きになっている」との聲もある??茖W的発展観とは、わが國の経済の発展を加速するだけでなく、その発展をより良く、よりグリーンに、より持続可能にさせるものだ。
■中國は現行の國際體制の転覆を謀らない