1971年10月25日、第26回國連総會は賛成76票、反対35票、棄権17票の圧倒的多數で、中華人民共和國の合法的議席の回復に関する決議を採択した。中國人民および正義を主張する世界の一部の國々と人民による長期間の奮闘の結果だ。(文:呉建民?歐州科學院副院長。)
私も當時、國連復帰代表団の一員として第26回國連総會に出席する幸運に恵まれた。また、初の國連中國政府代表部の一員として計10年間勤務した。國連の各國代表が中國代表団の復帰を盛大に歓迎した光景は、40年後の今もなおありありと目に浮かぶ。中國外交40年の歩みを振り返ると、感じて悟る點が多々ある。
その一、世界は中國を必要としている。第二次世界大戦終結後に創設された國連は、世界で最も権威ある、最も代表性を備えた機構であり、中國はその創設國だ。だが新中國成立後、國連での中國の議席は「蔣介石政府」に乗っ取られ、全人民を代表する中華人民共和國は排除された。世界人口の5分の1を占める新中國を排除するとは、國連の欠陥といわざるを得ない。世界の問題を処理する國連が、中國人を排除してはならないのは明らかだ。決議採択後の國連側の姿勢、中國代表団の復帰に対する歓迎は、國連と世界が中國を必要としていることを物語っている。
その二、中國は世界を必要としている。中國はかつて世界を1千年以上の間リードした國だった。だがトウ小平氏の指摘したように、明の永楽帝(在位1403-1424年)より後は、國を閉ざし始めた。1840年のアヘン戦爭後、歐米列強の砲艦に門戸を開けられて初めて、中國人は國を閉ざしたために後れをとったこと、そして後れをとれば毆られることを悟った。
新中國成立以來の実踐は、近代化の実現は鎖國下では実現困難なことをわれわれに告げている。トウ小平氏の打ち出した改革開放政策は決して偶然ではない。近代化の実現には開放が必須なのである。過去30數年間の中國の大発展は、改革開放の道、中國の特色ある社會主義の道を歩むことの正しさを示している。われわれの大発展は開放の下で実現したのだ。発展するためには開放と世界へ向かうことが必須だ。國連は世界の大舞臺であり、中國が世界へ向かうにはこの舞臺への復帰が不可欠だ。國連復帰以來40年の実踐は、中國が國連と世界を必要としていることを物語っている。
その三、國際、國內の2つの大局は互いに影響し合い、促進し合う。胡錦濤國家主席は國際、國內の2つの大局を統合的に扱う必要性を強調している。國連は世界を1つにつなげる。中國の問題を解決するには、世界の大局と統合的に策を立て、國連から得られる有利な條件を存分に活用しなければならない。逆に中國の発展と進歩も、人類文明発展の流れの中にある。現代世界は依然多くの欠陥を抱えるが、客観的に見れば、かつてよりも大きく進歩している。これは中國人民を含む世界人民の長年にわたる奮闘の結果だ。
中國の外交舞臺は國連復帰によって大きく広がった。1971年の合法的議席回復時、中國と國交のある國は64カ國のみだったが、現在は172カ國に増えている。外交舞臺の拡大は、わが國の近代化にとって極めて有利だ。中國が平和、発展、協力の旗を高く掲げていることは、世界にとって大いにプラスだ。歴史の潮流は中國の國連復帰を後押ししたし、中國の國連復帰も歴史の潮流を後押しするものである。
まさに胡錦濤主席の述べたように「中國の発展は世界から切り離せず、世界の発展は中國から切り離せない」のである。
「人民網日本語版」2011年10月25日