第2に、APECがグローバルな自由貿易の推進における新たな原動力になれるかどうかだ。1999年以來、WTOの枠組みの自由貿易交渉「ドーハ?ラウンド」は度々挫折。農産物関稅をめぐり各國の爭いは止まず、ドーハ?ラウンドの進展は力を欠いている。だがグローバルな自由貿易體制の刷新は待ったなしだし、保護貿易主義への反対とグローバルな自由貿易プロセスの推進を求める聲も待ったなしだ。ハワイ會議でAPECがグローバルな自由貿易プロセス推進の新たな動力を見出せれば、ドーハ?ラウンド交渉に進展がなくとも、アジア太平洋協力の新たな実踐によってグローバルな自由貿易システムの高度化を促し、APECの重要な力を示すことができる。
第3に、グローバル経済を低迷から救うための新たなエンジンをかけられるかどうかだ。貿易は豊かさを、自由貿易は競爭と繁栄をもたらす。だがグローバル経済が低迷する中、自由貿易の効率をどう発揮するかは、相當程度において將來の成長軸や、省エネ、排出削減、クリーンエネルギー、再生可能エネルギーと結びつけて考えることが必要だ。こうした背景の下、APECは「炭素関稅」のような少數の先進國のやり方に従うのではなく、エコ製品への関稅引き下げを行うべきだ。これはグリーン経済協力の深化においてアジア太平洋経済が世界の他の地域をリードする上でプラスだ。
だが、ご飯は一口ずつ食べなければならず、物事も一件ずつ行わなければならない。今回のAPECハワイ會議で、域內21カ國?地域の新たな共通認識と活力を確実に高め、有効な行動計畫をまとめ、「共通だが差異ある」APEC精神を保持すると同時に行動の整合性を強化できれば、アジア太平洋経済協力は希望に満ちたものとなる。
「人民網日本語版」2011年11月11日