この點におけるアジア諸國と米國の立場の相違が、第2の矛盾だ。シンガポール國際問題研究所の戴尚志所長はアジア諸國の政策選択について「アジアの隣國は中國の抗いがたい力に引きつけられると同時に、米國から戦略的保障を得ようと焦っている。こうした國々は北京とワシントンの間でバランスを保ち、中國の発展の助けを借りて自國の経済を発展させると同時に、米國の助けを借りてアジアの戦略パランスを保とうとしている」と説明する。
こうした選択と米國のアジア太平洋戦略の最大の相違は、アジア諸國が求めているのはバランスであり、バランスの中からさらに多くの空間と利益を得ようとしているが、米國が求めているのはアジアにおける主導(dǎo)的地位だということだ。アジア諸國が米中のいずれかを選ぼうとしないのは、このためだ。
この2つの矛盾は今後のアジアの発展に常につきまとうだろう。だがこの矛盾は1つの共通點を映し出してもいる。つまり、米中の正面衝突はどの國も望んでいないということだ。これを米國は望まず、アジア諸國はなおさらに望んでいない。さもなくば利益を得られるか否かの問題ではなく、相當(dāng)程度において共に壊滅してしまうことになるのだ。どの國も、中國が持続的発展の勢いを維持することを望んでいる。さもなくば、誰も利益を得られない。したがってわれわれは、アジアの將來の平和的発展に対して、もう少し自信を持つべきだ。
発展の競爭には利益の駆け引きも含まれる。だがその結(jié)果、この地域において足場を固め、立ち上がることができるのは、その発展により活力があり、より多くの國々の発展により多くの機會を與えられた國となるだろう。米國はまだ波瀾を引き起こすに違いないが、この點をよく考えれば、われわれは波瀾にも驚かない心構(gòu)えで、アジアにおける米國の「ダンス」を観賞することができるのだ。
「人民網(wǎng)日本語版」2011年11月17日