パネッタ米國防長官は2日、第11回アジア安全保障會議(シャングリラ?ダイアローグ)で「アジア太平洋に対する米國のリバランス」と題して演説し、アジア太平洋地域における米國の役割や新軍事戦略「リバランス」の推進について重點的に語った。特に注目されたのは、海軍力の6割をアジア太平洋地域に配備する方針を表明したことだ。(文:阮宗沢『國際問題研究』誌編集長、人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
米國は今年1月に発表した新軍事戦略で戦略の重心をアジアへシフトすると表明した。だが「シフト」という表現は余りにも多義的だとして國內外で物議を醸し、「リバランス」に改められた。米國がアジア太平洋地域から離れたことはなく、イラク、アフガンの両戦爭後の重點に対する再調整に過ぎないと強調する狙いがある。
では米國は何の「リバランス」を求めているのか?
第1に歐州とアジアの戦略のバランス。つまり米國にとって戦略の重點はすでに歐州ではなく、アジアに取って代わったということだ。パネッタ長官は「今後5潤?10年、米國はアジア太平洋地域で引き続き軍事的プレゼンスを強化し、より大きな割合の部隊を配備する」と述べた。パネッタ長官は海軍士官學校の今年の卒業式でも「広大なアジア太平洋海域で米國のパワーを維持、強化する」よう訓示した。
第2に軍事戦略のバランス。つまり海軍と空軍を一段と重視するということだ。太平洋と大西洋で半々という現在の海軍力配備構成を改め、6割の軍艦を太平洋に配備する。巡洋艦、駆逐艦、潛水艦、沿海域戦闘艦(LCS)の大部分を太平洋に配備し、空母も6隻に増やす。パネッタ長官は數だけでなく、より先進的な潛水艦?軍艦、新型の電子戦設備や通信システムを太平洋に配備するなど、質も高めるとしている。
第3に配備方式のバランス。つまり冷戦時のように大規模な恒久的基地を新たに建設することでアジア太平洋地域における軍事的プレゼンスを強化するのではなく、同盟國やパートナー國と協力し、一時的な任務や合同軍事演習?行動への參加を通じて、パートナー國の港灣、空港その他施設の利用を確保する。このような手法はより経済的で、費用を抑えられ、パートナー國の政治的反対も比較的少ない。