張維為?復旦大學客員教授、春秋総合研究院上席研究員
中國は超大な人口規模、超広大な國土、超悠久の歴史?伝統と超深遠な文化を擁している。これは中國の政治形態も獨特なものであることを意味する。中國は歴史上、いかなる政府であれ民生の問題を著実に処理し、天災や人災の問題を著実に解決し、人口の規模と國土の規模がもたらす特殊な挑戦に著実に対応する必要があり、そうでなければ、執政の合法性は失われることになる。とてつもなく長い歴史のなかで、中國人も獨自の政治文化観を形成してきたのである。
多黨間の競爭により生まれる政権の合法性だけを認める、というのは非常に皮相な政治的考え方である。中國の執政黨は本質的に言えば、中國の歴史上統一された儒家執政集団の伝統を引き継いでおり、異なる利益集団が互いに競爭する政黨を示すものではない。中國が仮に多黨競爭制度を採用すれば、黨の競爭により四分五裂の狀態に極めて陥りやすくなる。辛亥革命後、中國は急速に制御を失い、四分五裂し、天下は大いに亂れたが、これこそが重要な教訓なのである。
人類史を見るに、最もよく目にする合法性は即ち、歴史的合法性である。中國の政権のこうした歴史的合法性の最大の特徴は実に「賢人の登用」という政治的な伝統と、「民心が向かい、また背を向けるところ」という治國の理念である。中國が數千年の歴史の絶対部分を占める時間のなかで世界をはるかにリードしてきた鍵はまさにそこにあり、それは中華民族の政治的智恵を體現しており、中國モデルの核心的競爭力の一つでもある。