米國の極右ポピュリストであるスティーブ?バノン氏はこのほど、メディアとのインタビューで、中國の防疫モデルを中傷し、中國は今回の感染癥に対する経済的責任を負うべきだと揚言した。米大統領の首席戦略官兼上級顧問を務めたバノン氏の政治的見解は極めて急進的であり、一貫して人種差別と排外的思想を吹聴している。新型コロナウイルス感染癥の世界的蔓延により、バノン氏は自身の「政治ウイルス」を広めるための新たな余地を見つけ出したようだ。
バノン氏がどのようにうそをでっち上げ、どのように口実を探そうと、同氏が言うところの「責任追及と賠償請求」は國際慣例に合致しないばかりか、いかなる法的根拠も有しないものだ。2009年に米國で猛威を振るい214の國と地域に蔓延したH1N1型インフルエンザ、1980年代に最初に米國で発見されたエイズ、2008年に米國に端を発し全世界を席巻した金融危機のいずれにおいても、國際社會は米國に賠償を求めたことはなかった。バノン氏らは何を理由に中國に賠償を求めるのか。
その上、新型コロナウイルスの起源は科學者らが探求中だ。人類はみなウイルスの被害者だ。事実が早くから証明しているのは、中國は世界的な感染拡大抑止への取り組みの貢獻者かつ協力者であるということだ。バノン氏による中國への責任追及と賠償請求は、世界が亂れることを一心に願う政治的な悪ふざけにすぎない。
現在、米國の新型コロナウイルスの感染者數は112萬人を突破し、死者數は6萬6000人を超えている。米紙「ニューヨーク?タイムズ」によると、米國の新型コロナウイルスによる8週間の死者數は、ベトナム戦爭の8年間で亡くなった米國人の數を上回ったという。米國の第1四半期の実質國內総生産(GDP)は前期比4.8%減と、2008年の國際金融危機以來の大幅な落ち込みとなった。米國の新規失業保険申請件數は6週間で計3000萬件を超えた。米國の一部の政治屋は、感染癥の拡大抑止に力を注ぐことよりもむしろ、挑発や中國への責任のなすりつけに必死になり、より多くの貴重な命を救う時間を無駄にしている。
國際社會は、バノン氏らに問わなければならない。米國で2月6日に新型コロナウイルス感染癥で亡くなった人は中國への渡航歴がなかった。では、米國で最初に確認された新型コロナウイルスの感染例はいつだったのか。米國內の防疫への力はなぜ頻繁に罰せられ、聲を上げることを禁じられたのか。カナダメディアによると、カナダで初期に感染が確認された癥例は米國から來た人であり、中國人旅行者とは無関係だという。米國はこれについてどう説明するのか。(CRI論説員)
「中國國際放送局 日本語部」より 2020年5月5日