──日本で最も大きい會社の一つとして、御社は両國の貿易と投資を促進する上でどんな役割を果たしているとお考えですか?
商社の場合、今言いましたように、あらゆる分野の取り組みをしています。我々は今中國にいますから、その中國がどんどんこれから伸びていく中で、日本からの支援を求めている分野がたくさんあります。日中相互の利益の拡大という大きな意味を含めて、我々としてはその中國の國益にそって、中國が必要とする分野に特に重點をおいていきたいと思っています。これが最も中國のために役に立つし、中國と仕事する上でスピードをもって取り組めると思っています。この意味で、四つ目の戦略分野に環境と省エネの分野を加えたわけです。
──御社はこれまでずっと中國の慈善事業に熱心に取り組んでいらっしゃいますが、そのきっかけはどんなことでしょうか。また今後、どのような計畫をお持ちでしょうか。
中國で長い間仕事させていただいている我々はそこで利益を上げています。その利益の一部をその國の地域社會に還元するというのは、我々大きな企業にとって、社會的な責任の一つだと思います。そういう意味では、住友商事は非常に積極的に社會貢獻事業を今までも進めてきましたし、これからもいろいろな計畫があります。住友商事として初めて行った社會貢獻は、中國の大學生に対する奨學金です。現在、中國の全國約20カ所の大學で各大學約20名、毎年約400名の大學生に奨學金を提供しています。それから、住友冠講座をスタートさせました。一つは天津の南開大學で、住友基金をベースに住友冠講座がスタートしました。これは南開大學の商學部をパートナーにして、「企業の社會的責任」という大きなテーマのもとで講座を開催しています。もう一つは北京の清華大學で冠講座がスタートしました。清華大學の公共管理學院をパートナーにして、「リーダーシップ」というテーマで講座を行っています。