■中國は決して貿易黒字を追い求めておらず、その反対に輸入拡大に手を盡くしている
モルガン?スタンレー?アジアのローチ會長:各國が幅広く認識を共有している點が2つある。1つは、世界各國は貿易摩擦と保護主義に陥らないようにしなければならないということ、もう1つは、中國は経済成長パターンの転換を加速すべきだということだ。総理はこの2點をどう処理するか。
溫総理:中國は世界の多くの國々と同様に自由貿易を主張している。これは自由貿易があってこそ経済は活力に満ち、世界に調和がもたらされ、人々の生活が多様になるからだ。この機會を借りて國際社會に1つのメッセージを伝えたい。「中國は決して貿易黒字を追い求めておらず、その反対に輸入拡大のために手を盡くそうとしている」。國際収支の基本的均衡の維持は、私たちの長期的な努力の方向だ。昨年の中國経済の成長は主に內需によるもので、貿易黒字も徐々に減少している。今年3月上旬までに、すでに赤字も生じている。
世界金融危機の前に、私は中國経済には不協調、不均衡、持続不能という問題があると表明した。全體的に見ると中國は危機に比較的良く対応したが、多くの問題も露呈された。今回の危機は事実上、中國経済の成長パターンに対する試練だ。「政府活動報告」の中で経済成長パターンの転換について、私は「一刻の猶予もならない」との表現を使った。成長パターンの転換は以下の點を含むべきだ。內需拡大を長期的な戦略方針として堅持していき、いささかも揺るがせにしない。都市部と農村部、地域間の格差の縮小に全力を盡くし、住民消費の拡大に努める。サービス業の発展を加速する。第2次産業では新興産業の発展を重視し、第1次産業では安定した発展を達成し、農業という基盤を安定させる。
成長パターンの転換は長期的で困難な課題だ。米國は失業者200萬人という數字で政府が非常に焦っているが、中國が抱える就業人口圧力は200萬人ではなく2億人だ。中國の都市部と農村部との間には大きな格差がある。ちょうど昨日私は南西の干ばつ被災地である雲南省を訪れたが、そこではまだ牛二頭を使って田畑を耕す情景が見られた。これらはいずれも、中國の持続可能な発展に影響を與える。第12次五カ年計畫の策定においては、成長パターンの転換加速を重要な位置に據えなければならない。