ここ數年、中國の高速鉄道は急速な発展を遂げており、武-広(武漢-広州間)、鄭西(鄭州-西安間)で相次いで開通したかと思えば、京滬(北京-上海間)高速鉄道開通も秒読み段階に入っている。
広鉄集団公司の陳敏副総経理によれば、中國の鉄道運営距離は、2012年末には11萬kmを越え、そのうち旅客用と都市間鉄道が1.3萬kmを占め、中國を除く世界の高速鉄道運営距離の総和を上回る見込みであるという。
その一方で、高速鉄道が航空市場に與えた衝撃は大きい。2009年、鄭西高速鉄道の影響で、鄭州―西安便は運航を停止、春秋航空公司も鄭州を運営基地とする計畫を諦めた。また、2009年の武広旅客線開通で、武漢-広州間の航空チケットは50%の値下げを余儀なくされた。
航空業界のアナリストによれば、現在、鄭西高速鉄道がまだ完全にはその輸送能力を発揮していないにもかかわらず、その航空業界にもたらす圧力は誰の目にも明らかである。今後、京廣(北京―広州間)、京滬、徐蘭(徐州―蘭州間)等が開通すれば、「航空業界はその巨大な圧力で押しつぶされてしまう恐れがある。」という。
先進國の中でも、高速鉄道と航空路線のPK戦においては、高速鉄道が勝利した例が少なくない。関連統計データによれば、前世紀50年代、日本では新幹線開通後、日本航空は徐々にその國內市場から姿を消し、しだいに國際市場を中心とした交通手段へと転身を遂げた。また、フランスは1983年にパリ-リヨン間を結ぶ高速鉄道を開通、今ではその輸送市場の94%を占め、航空會社は殘りのわずか6%を占めるのみである。さらに英國と歐州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターもロンドン-パリ間の輸送市場の70%を占めている。