日本の農林水産省は18日、2020年の世界の食料需給見通しを発表した。人口増加や中國など新興國の経済成長を受け、コメ、小麥などの穀物消費量は2008年より五億トン増の27億トンになると予測。食糧需要に生産が追いつかず、価格は三割前後上昇するとしている。
最近も穀物価格が高騰しており、チュニジアやエジプトでは政変の一因となっている。そのため、世界二十カ國?地域(G20)農相會合が六月に開かれる予定で、農水省は今回の試算発表を通して、各國が協調して食料の安定供給に取り組むよう呼び掛けている。
農水省によると、コメ、小麥、トウモロコシなどを合わせた世界の穀物消費量は1996年は17億トンだったが、2008年に22億トンに増加。2020年には27億トンに増えるが、生産量は26.5億トンにとどまる。穀物在庫が取り崩され、在庫率は15%と國連食糧農業機関(FAO)が危険水準とする17~18%を下回る見通し。
農水省によると、穀物価格は今後も上昇が続き、物価高を考慮した名目ベースで2020年のコメの価格は2008年に比べ31%増の1トンあたり約704ドル、小麥が24%増の297ドル、トウモロコシが35%増の224ドルになるという。
そのほか、地域別ではアジア、アフリカ、中東で穀物需要が大幅に増加するとしている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月21日