経済成長に関する悩みは盡きない。中國ではGDPが世界第二になった余熱が冷めやまぬなか、いわゆる「中所得國の罠」の議論が靜かに持ちあがっている。ここ最近、國內外の學者が口々に議論を戦わせ、ある時には望遠鏡を、またある時には顕微鏡を覗くかのように、この新興大國が「罠」をかわす方法を探している。
▼「中等収入者」の定義とは
中國経済が「中所得國の罠」を避けることを考えるとき、主な道筋は、収入を引き上げることで強力な「中等収入階層」を形成することになるはずである。しかし、「中等収入階層」とはどの水準のことを言うのだろうか。
中國社科院社會學研究所の張宛麗氏が10年前に「中間階級」の目安を示している。あくまで當時の社會事情に合わせたものであるが、それによると、個人平均年収と所有財産((を加えた額))が2.5萬元から3.5萬元までの間であり、自家用車を購入していること、それなりの社交費をかけていることとされている。職種としては、會社経営者、専門技術職、自営業者、會社員などであり、私有企業の経営者も一部含まれる。規模はおよそ人口の15%である。當時同氏は、「中間階層」は1億人いると楽観的に見積もっていた。
その後2005年1月に國家統計局がより正確な目安を示した。家庭年収が6萬元から50萬元の間というものである。この目安では、2020年までに中等収入者の規模は2005年の5.04%から45%までに拡大すると思われる。
中國の消費者に関する報告としては、2006年に世界有數のコンサルティング會社であるMcKinsey & Companyが、年収2.5萬元から4萬元の家庭を「下層中産階級」、年収4萬元から10萬元の家庭を「上層中産階級」と定義している。當報告書ではまた、購買力評価から計算すると、中國の年収10萬元の家庭が生活水準で米國の年収4萬ドルの家庭に匹敵するともしている。
しかし2010年になって、その基準がまた変更された。あるメディアが調査したところによると、中等収入者の家庭の最も分かりやすい基準は「家を持つこと」だそうである。