「広州日報」が伝えたところによると、歐州資本の格付け會社のフィッチ?レーティングスはこのほど、中國の銀行業を襲う危機が引き続きマクロ金融情勢の安定に対する投資家の信頼感をむしばむとすれば、今後6カ月から2年の間に、中國の主権債務の格付けを引き下げると発表した。これは客観的な警告なのだろうか、それとも空虛な陰謀なのだろうか。他の格付け會社が追隨して格付けを引き下げるだろうか。マイナス影響は拡大しないだろうか。
▽フィッチだけが中國をマイナス評価
銀行の貸付金、地方政府の債務、新たに出現したインフレ圧力、これがフィッチが中國の格下げを検討するに至った要因だという。今年4月にもフィッチは中國の長期人民元建て債券の格付け見通しを「安定」から「ネガティブ」に引き下げている。
問題はそれほど深刻なのだろうか。フィッチと並ぶ世界トップレベルの格付け機関のムーディーズ?インベスターズ?サービスとスタンダード?アンド?プアーズ(S&P)は、リスクのレベルと中國経済の予測について異なる見方をしている。S&Pのシンガポール常駐主権債務格付けアナリストの陳錦栄さんによると、中國の銀行の貸借問題は想像されるほど大きなものではなく、監督管理者が大量のリスク予防措置を取っている。リスクが出現しても、巨額の外貨準備や外貨収入などで補填され、マイナス影響が解消される。S&Pの中國國債の格付け見通しは「安定」で、今後10年間は引き続き高度成長を維持するとみている、今後6カ月から2年の間に中國の格付けを引き下げる可能性は30%以下だという。ムーディーズもほぼ同様の見方を示す。