中國銀行は11日に発表した2011年第4四半期の『中國経済金融展望季報』(以下、報告)の中で、中國経済は減速のリスクが拡大しており、不動産価格の曲がり角が目前にせまっていると報告した。
報告によると、第4四半期においてマクロ調整政策の方針は変わらず、流動性の引き締めも継続されるが、利率や預金準備率が調整される可能性は低く、金融政策は市場公開操作が中心になるという。
CPIの上昇圧力は軽減
報告によると、世界経済の混亂や中國國內の引き締め政策などの影響により、第4四半期の中國の景気は減速、三大需要(投資?消費?輸出)も軒並み減速し、経済の減速リスクは拡大しているという。
報告では、第4四半期の経済成長率は約9.4%、年間では約9.5%になると予測されている。そのほか、物価水準は依然として高めに推移し、第4四半期のCPIは約5.3%、年間では約5.6%になるとしている。
報告によると、食品価格の高騰が物価水準を引き上げる主因となっているが、年初以降、食品価格のほかにも、物価水準を引き上げる新たな要因が次々と現れているという。工業製品出荷価格指數は依然7%と高水準で推移、不動産価格の高騰は抑制されているものの、依然として値上がり圧力は存在しており、これらの要因が物価水準の高まりを助長している。
しかし、中國銀行國際金融研究所の周景彤チーフアナリストは、「ピッグサイクル(豚肉価格の周期的変動)はピークに近づいている。CPIは高水準にあるが、ピークはすでに過ぎた。また、タイムラグ要因による影響も小さくなっており、CPIとPPIの上昇圧力は今後さらに軽減されるだろう」との見方を示した。