ある研究によると、iphoneの卸値178.96ドルのうち、日本、ドイツ、韓國は部品の製造を通してそれぞれ34%、17%、13%の利益を得ているが、最後の組立を行う中國はわずか3.6%の約6.5ドルしか得ていないことがわかった。
ところが、現行の貿易統計方法では、卸値178.96ドルすべてが中國の輸出額に計算されている。
グローバル化により、製品の「一國での製造」は「世界での製造」に変わった。しかし、現行の貿易統計は伝統的な貨物の貿易形態に基いて行われ、新たな変化を考慮しておらず、世界の生産チェーンの全過程や國ごとに異なる生産工程の附加価値の実情を正確に反映できていない。そのため、貿易の雇用や所得への役割を正確に表すことができず、各國政府の貿易政策の制定に不確かな情報を與えている。
中國の稅関総署の統計によると、中國の2010年の輸出額は1兆5779億ドル、うち加工貿易の輸出額は7403億ドルで、その比率は50%前後を維持している。外資系企業の輸出は同年の輸出の55%を占めた。これらの価値すべてが中國の生産や附加価値というわけではないが、統計では中國の輸出額に計算され、「中國に計算されるが他國が受益する」というねじれを招いている。