スマート製造は「中國製造2025」の大きな決め手の1つであり、製造業のバージョンアップにとっての要でもある。「中國製造2025」の計畫は1年あまりを経て確定された。重點分野の技術革新ロードマップ、スケジュール、各省ごとの指南が相次いで発表された。浙江省寧波、広東省珠江の西岸6市1區、江蘇省蘇南の5市が試験區をスタートさせている。インターネットを基礎とする大型製造企業向けの「雙創(大衆の創業、萬衆の創新)」プラットフォームと、中小企業向けの第三者「雙創」プラットフォームも、積極的にインターネットを使った製造や、オーダーメード型製造、サービス型製造など、ネットワーク化された新生産モデルを育成している。
ハイエンドなスマート製造以外にも、中國の製造業、特に大規模化する消費商品工業産業に対する供給不足や、製造能力が高くてもイノベーションに欠けているといった構造的矛盾を、積極的に解決していく。これも製造業の振興に欠かせない取り組みである。
「現在、中國の消費商品のうち100品目以上が世界首位となっている。家電、靴製造、綿紡績、化學繊維、アパレルなどは世界の生産の50%以上を占めている。軽工業や紡績の輸出は世界の30%以上を占める。中國は堂々たる消費商品の製造大國であり、消費と輸出の大國なのだ。しかし我々の品目構造、品質、ブランド育成に関し、先進國とかなり大きな差が見られる」。國務院発展研究センター産業経済研究部の趙昌文部長はそう述べる。この數年、中國人が海外で便器や炊飯器を爆買いしているが、その多くが中國製である。これは中國の消費商品工業の供給能力とレベルが消費者のニーズの高まりに適応していないことを意味すると同時に、中國が製造能力の面で負けているわけではなく、品質や品目、ブランドの面で負けていることを示している。