雲にも干渉されない「風雲3號D」の観測能力
11月15日2時35分、中國航天科技集団第八研究院が開発した人工衛星「風雲3號D」が、太原衛星発射センターから打ち上げられた。「科技日報」の取材によると、「風雲」は長年続くプロジェクトだが、今回の新型は雲や霧に干渉されず、オーロラを観測できるなど新たな実力を持つ。中國の天気予報の正確性をさらに高める役割を持つ。
雲霧に干渉されず、オーロラも観測可能
「風雲3號D」プロジェクトを総指揮する高火山氏によると、同衛星は赤外線分光イメージング大気観測機、ハイパースペクトル溫室効果ガス観測機、広角オーロライメージング機、電離層光度計など、10臺の最新リモートセンサー観測機を搭載している。地球全體、全天候のマルチスペクトル畫像や3D畫像、定量観測を支援する。
第八研究院509所の風雲3號衛星副総設計師である朱維氏は、「新しく加わったこれらリモートセンサー観測機は、気象分野における大気観測の精度を上げ、溫室効果ガス観測能力を高め、空間環境全體の観測能力に対する新たなニーズに応えるものだ」と述べる。
赤外線分光イメージング大気観測機は、大気上の異なるスペクトルの放射線値を観測し、そこから逆算して全地球の気溫や濕度の3D分布図を作ることで、天気予報に必要な基礎データとする。それを使って、地球の気候変化に対する観測や評価を行う。