マスコミの報道によると、これまでに世界各國から日本の新幹線を視察に訪れた人はかなりの人數にのぼり、その中にはもちろん中國からの視察者もかなりいたらしい。鉄道輸送の斜陽化が懸念されていた頃に日本の技術者たちが、「弾丸列車」などの構想を打ち出して、數々の試行錯誤を繰り返しながら、新幹線という新しいものを生み出したストーリーを上記の文蕓春秋社の本を通して知り、たえず新しいフロンティアに挑む人類のたたかいに感動したのを今でも覚えている。
聞くところによると、アメリカ、ロシアなども大陸國家として高速鉄道の可能性に関心を持ち始めているらしい。そして、中國も2、3の高速鉄道建設プロジェクトを受注しているということである。中國も北京―天津間、広州―武漢間の高速鉄道の運営でいろいろノウハウを積み上げていることだろうが、たとえプロジェクト受注の競爭入札で日本に競り勝ったとしても、日本の技術、運営ノウハウを參考にしつづける謙虛な姿勢が必要であろう。これまでのところ、日本の新幹線はほとんど無事故の記録を保ち続けている。経験の蓄積ということの重要性をたえず念頭に置くことが必要である。
余談になるが、このところ中國では科學的発展観ということが唱えられている。そして自主的開発力の強化の必要性もたえず強調されている。中國は封建王朝の時代から産業革命という大きな時代の変化に乗り遅れ、この百數十年間苦難の歳月を過ごしてきた。冷靜に考えてみると、インターネットにしても、宇宙開発にしても、「新幹線」にしても、すべて外國で先に開発されたものを中國は後追いしてきた。これからは中國のオリジナルなものを作り出していくことも必要である。高速鉄道建設ブームの中で、私は科學的発展観、経済の発展方式の大転換の必要性を大いに痛感している昨今である。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月1日