(六)日本が中國に遺棄した化學兵器に関して
日本が中國に遺棄した化學兵器は日本軍國主義が中國を侵略した時に犯した重大な罪の一つであり、中日の間で解決を急ぐべき現実の問題である。中國を侵略した時、日本軍は國際條約に公然と違反し、化學兵器を使用し、大量の中國兵士と平民を害し、負傷と死亡をもたらした。日本軍の敗戦の時、自分たちの犯罪の証拠を隠滅するため、大量の化學兵器を埋蔵、遺棄した。これまでのところ、中國の十數の省、市と自治區の三十カ所以上のところに日本の遺棄化學兵器が発見されている。半世紀あまりの雨風に侵蝕され、これらの化學兵器は腐食がひどく、一部が漏洩して流れ出し、中國人民の生命と財産及び生態系と環境に重大な危害をもたらしている。
この問題を解決するために、1989年から中國と日本が4回にわたる政府間交渉と4回にわたる専門家協議を行った。1997年、雙方が共同ワーキンググループを結成し、これまでに4回の會議を開いている。日本側は中國遺棄化學兵器について、15回の現場調査を行った。交渉と共同調査を重ねた結果、日本は中國に大量の化學兵器を遺棄した事実を認め、この問題の重大性と緊迫性を十分認識し、この問題がいまでも中國人民に損害を與えていることに対し、心を痛めている旨を表明した。1999年7月30日、中日両國政府は『中華人民共和國政府と日本國政府の中國國境內における日本による遺棄化學兵器の廃棄に関する覚書き』に調印した。日本は『中日共同聲明』、『中日平和友好條約』、『化學兵器禁止條約』の原則的主旨及び『日本遺棄化學兵器の廃棄に関する覚書き』の規定に基づいて、この問題を早急に解決することを約束した。中國側は外交部に擔當機関として、「中國に遺棄された日本の化學兵器の問題を処理する弁公室」を設けた。