新華社東京分社前社長 冮冶
中日間の経済?貿易?文化などの各分野の交流がかくも盛んな今日において、日本の名だたる大企業?中企業の中で、中國関連業務がないという會社は聞いたことがない。中國業務のある會社には、必ず中國人社員がいる。彼らの大多數は、中國改革開放後に日本に來た留學生であり、大変な努力の結果、日本のホワイトカラーの一員となった。日本で勤務していた期間、彼らを何名か取材したことがある。取材を通じて、日本の會社の內部をうかがい知ることができよう。
オフィス?ビルが立ち並ぶ東京都の中心部
「日本の會社はまるで等級に厳しい軍隊だ」
張氏は現在、日本の有名な金融機関で働いている。張氏のオフィスは整然としていて明るく、一目見ただけで、実力のある大企業だということがわかる。
「私の椅子と周りの椅子の違いに気づかれましたか?」もし張氏がこのようにヒントをくれなければ、私はこの細部を見逃していただろう。
日本の會社の多くは、機を向かい合わせにして執務している。一部門は往々にして1箇所にまとめられており、向かい合わせにした機の一番端に橫向きに置かれているやや大きな機は、間違いなく部長のものである。その両橫は順に副部長?課長?一般社員のものとなっている。
張氏はこう語る。日本の會社の等級観念の強さは、來たばかりの中國人には想像できないものだ。ここでの一挙手一投足全てが、厳格な上下関係を表している。張氏はこのような話をしてくれた。
ある年の4月、會社の事務の女性が新しい椅子を張氏のところに持ってきた。「課長ご昇進おめでとうございます、よろしくお願いします。」張氏がそれまで使っていた椅子とこの椅子との違いは、この椅子には手すりがあることだった。
張氏は我ながらおかしいと思った。「椅子だけではありません、ここでのしきたりはたくさんありますよ。この會社では、椅子がその人の地位?職務を決定付けているのです。椅子を見れば、誰が指示を出す人か、誰が実務をする人かもわかります。私が今まで使っていた椅子は普通の回転椅子でした。今のものには手すりがついています。これは、皆とは違って課長クラスの待遇を受けられるようになったことを意味しています。私の右側の椅子を見てください、同じく手すりがありますが、この手すりはライトグレーではなくて黒です。この小さな違いが、副部長のマークです。それに脇には小さなラックもつきます。職位によって、椅子のタイプも異なります。社長?副社長?常任役員?役員と各部門の部長の椅子はいずれも社長椅子ですが、それぞれ違いがあります。會社に來る日本人は、椅子を見ただけで誰を探せばよいか分かります。人を間違えて、雙方が気まずい思いをするようなことはありません。一般社員でも、部長席から彼(彼女)の席までの近さを見れば、彼(彼女)のキャリアの長さがわかります。ここではまさに名実共に『席次』で並べられているのです。」