道徳面で優位に立つため
広島の平和祈念式典に初めて駐日米大使が出席し、表面上はオバマ大統領の『核兵器のない世界』を目指す決意を示しているが、実際は、米國はダブルスタンダードを貫いており、これを機に道徳面で優位に立ちたいためである。米國はイランや朝鮮などの核の脅威を強調することで、東歐に「ミサイル盾」を建設し、軍隊を東アジアに駐在させることを當然のようにする一方、ロシアに核軍縮を迫りながら、自身の核兵器廃棄の具體的な行動は期待できない。
なかでも特に微妙なのは日米の関係だ。核の問題では、日本は米國の「核の傘」の庇護を受けている。民主黨政権になってからは、「非核」を主張する聲が大きくなり、広島市の秋葉市長は昨年、2020年には世界の非核化を実現することを提唱し、今年は政府に対し「核の傘」からの離脫を要求した。しかし菅首相はあわてて態度を表明し、「不確実な要素が依然として存在する」として、日本は核抑止力を保持する必要があると述べた。
菅首相の意見は、日本が米國の強大な政治的?経済的影響下にあって、行動に移すのは難しいことを反映している。80年代のプラザ合意で米國が日本に円の切り上げを迫り、日本に「失われた10年」がもたらされたことから、鳩山由紀夫前首相が主張した「脫歐入亜」、東アジア共同體の構築、自立発展の追求は、最終的には米國から冷遇されて引っ込めざるを得なかったことまで、日本は始終、米國の影から抜け出せずにいる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2010年8月10日