南京師範大學南京大虐殺研究センター主任の張連紅教授は1日夜、取材に応じ「日本政府は中國に遺棄した化學兵器の廃棄作業の本格的な開始を宣言し、かつ最初の実施地に南京を選んだ。これは中日関係の進展、両國民間の感情改善に寄與する」と指摘した。
中國の関係當局の専門家は1980年代から、日本軍が遺棄した化學兵器に関する調査を全國範囲で開始し、最終的に「日本軍が中國に遺棄した化學兵器は約200萬點、各種の毒物は100トン以上、直接の死傷者は2000人以上に上り、今なお多くの地區の住民や環境がこれらの化學兵器に著しく脅かされている」との初歩的結論を得た。
張教授は「化學兵器の特殊性と危険性のため、日本が南京に遺棄した化學兵器は殆んど解放軍部隊の統一保管下に置かれている。數も多く、數年前の統計でも約4000発にも上る。日本政府はその廃棄に対して逃れられない責任を負う」と説明する。張教授は「日本が中國に遺棄した化學兵器の問題は慰安婦や労働者の問題とも異なり、法によって解決する必要もある」と指摘する。
日本軍の遺棄化學兵器による事故は東北地方に集中しており、しかも東北地方では今なお時折遺棄化學兵器が発見される。なぜ日本政府は遺棄作業のスタート地點に南京を選んだのだろう?何か別の意図があるのだろうか?
張教授はこれについて「南京から最初に開始するのは、日本軍は南京に比較的集中して化學兵器を遺棄しており、廃棄作業の著手が比較的容易だからだ。また、日本軍が南京に遺棄した化學兵器の廃棄手順?技術について、中日雙方が比較的早く合意したことも理由だ」と説明する。
「人民網日本語版」2010年9月3日