どのようにして終わらせるか
今回の國際為替レートをめぐる摩擦はどのようにして終わるのか。中國社會科學院世界経済政治所國際金融室の張明副主任は3つの可能性があると見ている。1つは各國が新「プラザ合意」を締結し、中國政府が人民元を今後數年內に大幅に切り上げることを約束する。2つ目は中國政府が人民元レートの大幅な調整を拒み、最終的に中米は貿易戦爭に陥る。3つ目は國際間の十分な協調を通じて、中國政府は今後人民元レート構造の柔軟性を強めることを約束する一方で、人民元切り上げの能動性とタイミングを掌握するとともに、貿易不均衡狀態にある各國は自國の構造調整に力を入れ、最終的に全世界経済の再均衡化を実現する。
世界各國にとって最も重要なのは、今回の「為替レートをめぐる衝突」は現在の世界通貨システムの苦境を再び際立たせていることだ。即ち、米ドルは米國の主権通貨であると同時に國際主要準備通貨の機能を持っている。この2種類の機能は相互に矛盾していて、相互に対立するものである。FRB(米連邦準備理事會)が米國の経済成長を刺激するために米ドルを増刷すれば、米ドルの流動性の氾濫と米ドル安を招く可能性があり、さらに國際金融の安定性に新たな衝撃を與えるだろう。そのため、新しい世界通貨システムの確立は一刻も猶予できない。
「北京週報日本語版」2010年11月10日