――軍事専門家として著名な彭光謙少將は7日、今回の日米合同軍事演習には規模が大きい、地域が広い、時機が敏感、狙いが深いという4つの特徴がある、との考えを示した。
彭少將は、いわゆる規模が大きいことについて次のように説明した。「今回の演習に関わる地域は北海道から沖縄の東部海域まで及んでおり、南から北への範囲も比較的広い。最後の『出し物』は沖縄の西南諸島海域で展開される可能性が高い。日本の陸??兆孕l隊からは3萬4000人が參加し、艦船は約40隻、航空機は250機にのぼる。米軍は陸海空及び海兵隊から兵員1萬人余り、艦艇約20隻、航空機は150余機。合わせて4萬4000人、60隻の艦艇、400機余りの航空機が演習に參加する。日米の合同軍事演習史上最大規模であり、米韓の合同演習の6倍。1986年以來、日米の演習「利剣」はすでに9回に及んでおり、今回で10回目、規模も最大である。とくに注目に値するのは、米國の航空母艦「ジョージ?ワシントン」が頻繁に西太平洋を往復して演習を行い、米韓の演習に參加したばかりで再び、日米の演習に參加したことだ。また、空母「カール?ビンソン?も演習海域に集結。戦爭時代を除けば、米國が同一海域に2隻の空母戦闘群を集結させるのは珍しい。最近では96年の臺灣海峽危機の際、「ミニッツ」と「インデペンデント」を派遣して力を誇示した。それから14年後、再びこの海域で武力を誇り威勢を示そうとしている」
彭少將は、いわゆる時機が敏感であることについて、主に以下の3點を挙げた。第1は、米國のアジア太平洋地域における軍事同盟システムが緩み出し、しかも「日米安全保障條約」調印50周年でもあり、日本には一時期、米國と対等に振る舞い、さらにはアジアに回帰する兆しも見え、沖縄が米軍基地に撤退するよう求めたことなどから、日米関係に一部摩擦が生じたことである。また、米韓軍事同盟にも新たな狀況が出現。韓國も早急に軍事指揮権を取り戻すことを要求、しかも米韓関係と中韓関係に等距離で対応するよう求める聲も出始めた。従って、米國のアジア太平洋地域における従來からある2つの柱は、いずれも弱體化の傾向にあるため、米國は焦りを感じている。これは米國のアジア太平洋地域における覇権の安定性、米國のアジア太平洋地域における指導的地位をも危うくしているため、米國は演習を通じてこうした局面を改め、同盟関係をさらに強化したいと考えている。
第2は、米國は「アジアに再び戻る」とか「アジアを導く」と聲高らかに宣言しながら、中國周辺で頻繁に軍事演習を行い、中國に対する戦略的包囲網を強めようとしていることである。米國が頻繁に中國の周辺海域で力を誇示し、「艦艇砲撃政策」を実行していることも、「空母によるゆすり」と呼んでもいいだろう。今回の演習は、その一連の軍事行動の一環であり、孤立した日米の間の演習ではない。前回の米韓軍事演習では、米國は日本に視察させており、今回の日米軍事演習では韓國に視察させている。実際、米國はアジア太平洋地域において2つの軍事同盟を結びつけることで、完ぺきなけん制網を構築したいと考えているのだ。
第3は、今回の演習も米國內の金融危機、社會危機、信用危機が同時発生した狀況の下で行われ、米國は危機を外部に転化しようとしており、まさに災いの種を東から引く時機だということである。米國は一連の軍事演習を通じて國內の視線を移させ、國內経済を刺激して、早急に危機から抜け出そうとしている。米國はますます「內政の外交化、外交の軍事化」の傾向を色濃くしている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2010年12月10日