文=陳言/フリーライター
何年か前まで、中國語の標識は東京駅にしかがなかった。しかし、今ではどの電車に乗っていても中國語が聞こえてくる。そして、中國語を話しているのは、旅行客ではなく、留學(xué)生や日本に仕事に來ている中國人であることが多い。
現(xiàn)在、日本には14萬人の留學(xué)生がおり、うち中國人は8萬6000人で、実60.8%を占める。日本政府は10年後には留學(xué)生の數(shù)を倍にすると言っている。その頃にも中國人留學(xué)生が60%ほどとするなら、その數(shù)は18萬人に上る。そうなれば東京だけではなく、全國の都市で大勢の中國人學(xué)生を見かけることができるはずだ。中國と日本の関係も大きな変化を遂げることになるだろう。
約20年前、円相場の激しい勢いで上昇し、多くの留學(xué)生が「留學(xué)に行くついでに、大金を稼いで帰りたい」という思いを抱いていた。當時は、あちらこちらのレストランで働く留學(xué)生の姿を見かけた。ほかにも、配送會社の運搬作業(yè)や會社の清掃をして働く留學(xué)生は大勢いた。そして數(shù)年後、企業(yè)の企畫部、國際部、技術(shù)部などでも、日本の大學(xué)を出た留學(xué)生の姿がちらほら見られるようになり、上場している大企業(yè)で働く留學(xué)生も現(xiàn)れた。
1990年代、日本は盛んに中國への投資を行い、日本企業(yè)で働く留學(xué)生もどんどん増えた。通訳としても長けている彼らは日本を理解し、専門知識も備えており、日本企業(yè)が中國に進出するための重要な切り札となった。その中から、自分で起業(yè)するものも現(xiàn)れ、中國企業(yè)と日本企業(yè)の提攜や合併に大活躍することも少なくなかった。彼らはそのようにして、日本の経済界で頭角を現(xiàn)し始めたのである。
日本の経済が発展するにつれ、海外市場への進出は日に日に重要になり、留學(xué)生の雇用も増えていった。パナソニックの2011年の採用人數(shù)のうち80%が外國籍を持つものである。ユニクロも半分以上は外國人を採用する予定である。
こんなにも多くの留學(xué)生が日本には必要なのだろうか。日本だけ見ると、その人數(shù)は極端に多いように思えるが、ほかの國と比べると、実は少ないほうなのだということがわかる。文部科學(xué)省の調(diào)査によると、大學(xué)あるいは大學(xué)院に在籍している留學(xué)生は、日本では2.6%であることに対し、オーストラリアは19.7%、イギリスは15.2%だった。確かに日本は少ないほうだ。
日本は今、ソフトパワーの発展を目指している。留學(xué)生が橋渡しをしなければ、ソフトパワーが海外に進出するのは難しい。日本政府の「留學(xué)生30萬人計畫」はただ単に企業(yè)の國際化のためではなく、日本が世界から理解を得るための重要な道筋なのである。
?中國網(wǎng)日本語版(チャイナネット)? 2011年1月28日