東京電力の勇士
時代は確かに変わった。今回の大地震を80年前の関東大地震と比較すると直ちにわかるのだが、日本社會は大いなる進歩を遂げており、神道や迷信は大多數の日本人にとっては既に廃棄済みの存在となっており、科學?民主?人権思想が深く人心に入っており、各個人の価値が尊重されている。この勢いは必然的に一つの結果をもたらしている、即ち無條件に國家のために奉仕獻身する「肉弾勇士」や「特攻隊員」は大幅に減っているという事だ。
今回放射性物質漏れに対処している東京電力の社員や海上自衛隊隊員の態度からもその一端を窺い見る事ができる。彼らは高度の職業意識を発揮しているのだが、彼らの先輩達と較べると明らかな変化が見られる。それは理性の変化、自我意識の変化であり、海上自衛隊の隊員には放射性物質のために生命の危険にさらされる事を理由に飛行機を出動させる事を拒否した者さえいた。これは日本人の愛國心が以前より希薄になった事と示しているのだろうか。そうではない。これは日本の社會の進歩に伴って日本人の愛國心に新しい要素が注がれ、ある種の世の中で広く認められたものを備え持つに至ったという背景がある。これら全てが目下東京電力の50名の勇士が淡々として、放射性物質の輻射の脅威に向き合いつつも、その持ち場を離れないという壯挙の上に現れている。(李兆忠)
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月1日