資料寫真:日本のスーパーの野菜コーナー
近所のスーパーから冷えたビールを買ってきた。スーパーといっても、商店をちょっと大きくした感じの店で、従業員も制服を著ている訳ではなく、客に対しても「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の挨拶すらしない、単純素樸な経営方針を貫いている店である。
だが、我々にとって、このスーパーは日常生活に必要な物資をもたらしてくれる場所といえる。何故ならうちの臺所はまだ使えないからだ。このスーパーで売られている物は本州で売られている物よりも高い。例えば、本州では400円前後の弁當もここでは500円で売られている。陳列されている種類も非常に少なく、食事時を過ぎると売り切れになってしまう。仕入れ數が少ないのは、多分、島の人間が、ここに弁當を買いに來ることがあまりないからだろう。太郎に言わせると、島の人間は自分で海の魚を捕まえて食べるから、スーパーではほとんど魚は売られていないし、壽司や刺身などは滅多にお目にかかれないそうだ。実際にスーパーに行ってみるとそれが噓ではないことが一目瞭然だ。
だが、このスーパーの魅力は28円で売られているカップ麺にある。太郎と知り合いになってから、ずっと28円カップ麺のことを散々聞かされ続けてきた。日本はもちろん、中國でもこれほど安いカップ麺にお目にかかることは中々無いだろう。どう考えても信じ難いので、太郎の話は半信半疑であった。どれほど安くとも、店側は絶対に損しないように売られるはずだ。この販売価格ならば、メーカーすら利益を出すことが出來ないじゃないか、と思っていた。