もちろん、この「疑義」なげかけが、他の競合である民間格付會社と一線を畫すための、立場を優位にするためのマーケティング的手法のひとつであるとも考えられますが、それでもやはり総合的に判斷して、S&Pの行為はひとつの「危険な決斷」であったと思います。
今後、本日から數日は、この一件の「妥當性」について、市場參加者や各國政府?中央銀行?格付會社の間で、「主張合戦」がはじまると思いますが、それはそれで各利害関係者の思惑も含みながら議論消化されていくとおもいます。(米國債保有世界一位の中國約1兆6000ドル?二位の日本約9100億ドルですから、米國債の価値変動の影響は計り知れませんので、日中両國も自國利益の思惑を含んで動くでしょう。)
その中で、僕からみれば、多少のきな臭い話は目をつぶるとすれば、今回のS&Pの決斷は、グローバル化した蜘蛛の巣スタイル資本主義の自浄作用の一端であったように受け止められました。(自浄作用を行き過ぎて、資本主義爆発崩壊の引き金ほどには、なっていないと強く思っていますが???。)
折しも今日は、8月6日広島原爆記念日、日本のひとつ前の時代に終止符をうつ決定打ともなった日です。今回の「引き下げ」が、資本主義の終止符をうつ最初の余波にならないように、日本の資本主義の先輩であるアメリカが「自浄作用」を上手く吸収し、新しいシステムづくりにとりかかってくれることを、心から期待します!
(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2011年8月8日