驚いたことに、そのサラリーマン4人が店にいた2時間の間に喋っていた內容が、各自が所持する攜帯電話に関する話題だけだったのである。
自分が若かった頃、同僚と4人で飲む機會があれば、仕事のこと、出世の望み、金儲けの話、行ってみたい所、好きな女のこと…次から次へと話題は盡きなかったものだ。だが、この4人の若手サラリーマンは各自が持つ攜帯電話のことにしか興味を示さない。出世欲も金銭欲もなく、旅行も行かず、彼女も作ろうとしない…そんな若者が日本で多くなっている。私はニュースでその言葉を知ったのだが、そうした男性のことを「草食系男子」と呼ぶらしい。そういったタイプの男性と実際に出會ってみて、「なるほど、これが草食系か」と思わず納得してしまった。
若者だけでなく、高齢者にも目を向けて見よう。東京の街を歩いていると、高齢者を見かける機會が斷然多くなっていることに気付く。路線バスの乗客もほとんどが高齢者である。また、至る所に高齢者用の手すりが取り付けられ、老眼鏡が置かれている。今、日本の人口の4人に1人が65歳以上の高齢者である。高齢者の數が子どもの數を上回る日本は、世界一の高齢化先進國であり、深刻な問題を抱えている。