資料寫真
日本人と言えば「仕事最優先」というイメージが人々の中に長くあった。特にビジネスマンは、夜遅くまで殘業し、仕事が終わったら居酒屋でお酒を一杯引っかけて、家に帰れば深夜、という姿が日常的にあったようだ。だが、そうした狀況が今は変わりつつある。
政府統計の調査データによると、昨年1年間において、日本の成人が家族と食事する時間が大幅に増えている。調査対象者のうち、「ほぼ毎朝家族と食事をする」と答えた人は60.3%と、前年同期比10.2%増となっている。また、「毎晩家族と食事をする」と答えた人は71.6%と、15.1%増となった。また、毎日は無理でも「週に2~3回」か「週に4~5回」は家族と一緒に朝食を摂るようにしている」と答えた人は10%以上で、夕食の場合は20%以上となっている。
その主な原因について、以下のように推測する:
第1に、日本の労働形態が変化していることが挙げられる。敗戦後、日本は長い間、終身雇用制および年功序列性の社會であった。會社の利益を最優先におく日本人は誰もがよく働き、せっかくの休日も出勤なんてことは日常茶飯事であった。會社は働いて給與をもらえる場所というよりも、將來の設計図を描かせる場所であったのだ。だが、日本経済の形態が変わり、勤務評定を主とする人事管理が徐々に多くなり、従業員の入れ替わりも著しくなってきている。また、アルバイト、兼職、派遣、外部委託、短期雇用などの新しい雇用形態も続々と登場している。業務形態や評定方法が変わってきたことが、家族と一緒に過ごす時間を増やさせたと考えられる。
第2に、金銭的な理由が挙げられる。長年、低迷する景気により、人々の年収は増えないばかりか、減給されるケースも少なくない。昨年起こった東日本大震災により、多くの企業が操業停止に追い込まれ、元々不景気だった世の中がますます落ち込んでしまっている。収入が減れば、外で消費しようという意欲も下がり、自然と家で食事する回數が増えるという道理である。