「環球時報」28日付け社説 日本メディアは、丹羽宇一郎駐中國大使が乗った車が27日午後、北京市內を走行中に妨害され、1人の男が車に掲げてあった日本國旗を外して持ち去ったと伝えた。丹羽大使にけがはないという。この男の身分と國籍はまだわかっていないが、日本メディアが疑うように中國人だとすれば、私たちはこの男と公衆に対して不適切でばかげた行為だと言わなければならない。
中國の外交を実際に執り行うのは、とっくに政府だけではなくなり、世論が開放されたグローバル化時代、中國人の誰もが公共外交に參與している。中日間の釣魚島をめぐる対立が激化すれば、中國の民衆の対日外交への參與も活発になる。日本との摩擦で世論上の優位を勝ち取るため、多くの中國人は実際の行動で影響を與えており、この點を多くの中國人がよくわかっている。
中國は日本との対立で正々堂々とふるまい、民衆の愛國主義を表現し、日本による中國の釣魚島の占拠などの行為に対して強い不満を示す必要がある。また、理性的に節度あるふるまいをし、どの行為も法制度?社會のルールに従って行わなければならない。
日本の駐中國大使が車に國旗を掲げるというのは、大使の外交の権利である。どの國の駐中國大使も自國の國旗を公用車に掲げることができる。同様に、中國の駐日本大使および各國に駐在する大使も、駐在國で公用車に中國國旗を掲げることができる。このような行為を阻止する理由などなく、世間から非難されるだけである。
北京市內で27日に起きた事件のこの「襲撃者」は何のために丹羽大使が乗った車の日本國旗を外したのかわからない。日本の外交政策に対する不満を示すためか、日本に対する怒りを表すためか、それとも政治とは無関係なのか、その理由は推測できない。
しかし、男がこの時期に行動を起こしたことで、これが中日の緊迫した外交、中國人の日本に対する不満と関係があると世間に思わせている。このような関連付けは、中國の公衆の文明的なイメージを損なうと同時に、中國の國家イメージも損なうことになる。今回の出來事で最も利益を得るのは日本の右翼であり、日本の反中分子はこの事件を利用して無闇に煽り立てるに違いない。
中日間の爭いは「碁」のようで、「匹夫の勇」に頼れば、中國はなにもできなくなる。中國には、西太平洋で日本やその背後にある米國と駆け引きする大きな勇気と知恵が必要である。そのほか、ここにはフィリピンやベトナムなどの厄介で、中國臺頭の制御を目指す様々な野心もある。1臺の車に掲げられた日本國旗を外す行為は悪童のいたずら行為のようなものだ。私たちが取り除かなければいけないのは、何らかの勢力が中國周辺で振りまわす形のない旗である。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2012年8月28日