記者:李克強総理の記者會見で、どのような面に注目したか。
河野氏:中國社會が抱える問題は多く、新しい総理にとっても大きな挑戦となるだろう。李総理は中國の経済発展の問題、平和な外交戦略などに言及していたが、私はその考え方に賛成である。中國経済が引き続き安定した成長の維持を実現することは、日本経済にとっても極めて重要なことであるため、中國が経済成長の維持と貧富格差の解消との関係にどのように取り組んでいくかに日本も注目している。
また、我々は李総理の日中関係に関する発言に注目していたが、李総理はその議題に觸れなかった。主権問題に言及し、強硬姿勢を示しても、中國の立場から言えば當然のことであると私は見ている。我々は総理が「平和な発展の道を歩む」「中國が覇権を唱えることはない」と強調していたことにより一層注目している。
中國の指導者が覇権を追求せず、平和な外交の推進を強調したことの意義は大きい。私はかつて、中國はこの理念を絶えず繰り返し主張すべきであると提言していた。そうすることで、中國の周辺國家は安心し、隣國との関係改善にプラスになるからである。もし中國が沈黙し続ければ、中國の軍事費増大や海洋戦略に隣國は脅威を感じやすい。そのため、中國の指導者は今後、「覇権を唱えることはない」と絶えず強調するべきである。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2013年4月2日