防衛省は19日、日本最西端の中國にほど近い與那國島で、陸上自衛隊沿岸監視部隊の施設建設の著工式を開いた。同施設は2016年より使用される。専門家は、「対空?対艦レーダー、通信傍受施設が配備される可能性がある。その監視の重點は、釣魚島以南、特に臺灣から離陸する航空機、および與那國島に近い中國海軍の艦艇となる」と指摘した。
與那國島は臺灣の東に約110キロ、釣魚島の南に約150キロ離れており、島の標高は最高で230メートル。この高めの標高は、対空?対艦レーダーの架設にとって非常に有利だ。日本側は與那國島に配備するレーダーを明らかにしていないが、専門家は「対空?対艦レーダーが中心で、他にも通信傍受裝置が設置される可能性も排除できない」と分析した。日本に配備されている警戒レーダーの水準を見ると、最長で400?500キロ離れた場所にある戦闘機サイズの目標物を捕捉できる。
同基地は、中國大陸の航空機の釣魚島南部における活動に対して、高い監視能力を持つ。レーダーが標高200メートルの地點に設置された場合、釣魚島上空の目標物は、500メートル以上の上空に達すると発見される。しかし與那國島のレーダーは、中國大陸から離陸する航空機を早期警戒するためには、やや力不足だ。人民解放軍の航空機が1萬メートルの高空で釣魚島を巡回したとしても、與那國島のレーダーは400キロ超の範囲內に入らなければ発見できない。釣魚島の北?西から入る人民解放軍の航空機への早期警戒時間は非常に限られており、那覇基地から離陸するE-2C早期警戒機によって提供される空の早期警戒に遠く及ばない。
與那國島のレーダー施設は、人民解放軍の水上艦艇を対象とする可能性が高い。共同通信社の報道によると、日本は中國海軍の艦艇が、釣魚島の南に150キロ離れた與那國島沖を航行するのを何度も発見している。與那國島の標高約200メートルの場所に設置される対艦レーダーは、半徑約60キロ內の水上艦艇を効果的に捕捉できる。當然ながら、こうした場合も釣魚島付近の艦艇を捕捉できないが、そこから西太平洋の訓練に向かう中國海軍の水上艦隊に対しては、効果的な監視を実施できる。
同基地の著工式の翌日、小野寺五典防衛相は那覇基地「警戒航空隊」の発足式で隊旗を手渡した。同基地には、E-2Cが4機配備される予定だ。4機のE-2Cを活用すれば、釣魚島周辺空域を24時間態勢で監視できる。那覇基地の早期警戒機と與那國島の地上レーダーが協力すれば、釣魚島の全面的な網羅をほぼ実現できる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2014年4月21日