中國とASEAN諸國は6月24日にインドネシアで、「南中國海における関係國の行動宣言(DOC)」第11回共同作業部會會議を開催した。中國は関係國に対して、同宣言を全面的かつ効果的に履行し、海の実務的な協力を前進させ、「準則」の制定に向けた協議を著実に推進するよう求めた。
関係國が力を合わせ、地域の平和と安定に取り組む重要な時期に、フィリピンのアキノ大統領が嬉々として訪日し、安倍晉三首相と仲睦まじい友好ムードを演出した。いわゆる「戦略的パートナーシップ」の強化という出し物により、地域の平和と安定に新たなリスクをもたらした。
安倍政権は平和憲法の改正に取り組んでおり、戦後の國際秩序から離れようと畫策し、地域內の諸國の不安と懸念を引き起こした。かつて日本の侵略を受けたフィリピンのアキノ大統領は、日本は常に同情心を持ち、國際法を遵守しており、積極的かつ正面から地域と世界に貢獻していると言ってのけた。多くの國はこの説に違和感を覚えており、まったく異なる観點を持っている。
日本國內で物議をかもしている集団的自衛権の解禁に対して、フィリピンの指導者は両手を上げて賛成を示した。フィリピンはさらに「言外の意味」を込めて、「平和憲法は日本の行動能力を制限している。集団的自衛権を解禁すれば、日本は攻撃を受けた同盟國の保護などで、より大きな役割を果たすことができる」と表明した。
日本も、フィリピンの精一杯の応援に返禮した。フィリピンが中國の反対を顧みず、南中國海の係爭の仲介を求める中、安倍首相はアキノ大統領といわゆる「法的ルール」の重要性を確認した。東中國海と南中國海の緊張情勢を引き起こした張本人である両國は、地域情勢の悪化を見ながらも自身の行為を反省しようとせず、いわゆる「調整を強化中」と大げさに発表した。日本は先ほど、フィリピンに10隻の巡視船を提供すると表明していたが、安倍首相は今回の會談でもこの承諾を繰り返した。これが両國のいわゆる「調整」なのだろう。
フィリピンと日本の両國関係は、近年異常とも呼べるほど良好になっている。この1年間に、両國は首脳會談を4回実施し、頻繁に交流している。今回の會談で、両國の指導者は「戦略的パートナーシップ」の発展について協議した。比日は、両國は幅広い分野で協力できると宣伝し、両國関係のバランスのとれた全面的な発展の健全な予想図を張り出した。しかしこの戦略的パートナーシップは、自國の利益のためになるものだけを求める両國が合意したものにすぎない。上述した內容を分析すれば、両國関係が世界の公平?正義を基盤とするものでは絶対にないことが分かる。両國間には、人に言えない企みと悪事の方が多くある。
さらに馬鹿げているのは、比日が自らに平和の守護者という高尚なイメージを持たせようとしていることだ。両國は、アジア太平洋をより平和で安全にすると稱したが、地域の秩序を自ら亂しているのはこの両國だ。正義感のある國と人々は、両國の結びつきと協力に警戒せざるを得ない。
見識のある人ならば、ぐるになっている比日の狙いが、中國妨害にあることは一目瞭然だ。中國はいかなる國に対しても、自國の主権?安全?利益を損ねることを許さない。中國にはその自信と意志がある。正義に反する者のすべてが壁にぶつかり失敗に終わることは、歴史によって証明されており、今後も証明され続けるだろう。(筆者:蘇暁暉 中國國際問題研究所國際戦略研究部副主任)
「中國網日本語版(チャイナネット)」2014年6月25日