多くの外國人は日本人女性に対し、しとやかで優しく落ち著いており、服裝のセンスがあり、料理も上手といったイメージを持っている。日本人女性は、理想的な女性の象徴として語られたりもする。家庭の中では、日本人女性はお金の管理を擔當し、夫の財布を管理し、家計がうまく回るカギを握っている。街では、主婦らが乳母車を押し、ゆったりとアフタヌーンティーを楽しんでいる。だがこうしたイメージのある日本人女性の社會的地位は高いと言えるのだろうか。
世界経済フォーラムがこのほど発表した「世界男女格差報告書」では、142カ國のうち日本のランキングは104位にとどまった。昨年に比べれば1ランク上がったが、まだ低い水準である。同報告書は、「職場への進出」「教育」「健康度合い」「政治への參加」の4分野から男女の地位の格差を分析し、各項の平均値に基づいて総合ランキングを算出したものである。そのうち「政治への參加」においては、100點満點で日本はわずか5.8點で、129位だった。「職場への進出」でも102位にとどまり、日本の総合ランクの足を引っ張った。報告書は、「日本の上場企業の取締役のうち女性の比率は調査対象國で最低水準だった」と指摘している。
筆者の見るところ、日本人女性の社會的地位の改善が遅れているのには、次のようないくつかの原因があると見られる。
まず、「男は外、女は內」という伝統的な思想が日本では根深い。日本內閣府が発表した最新の「男女共同參畫に関する世論調査」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考えに賛成の人は44.6%を占めている。20年前と比べれば、日本人の家庭や婚姻に対する概念には大きな変化が生じたが、半數近くの人が妻は「家庭を守るべき」と考えているのが実態である。
次に、日本の職場は女性に平等な機會を與えておらず、育児と仕事を両立させるのは難しい。東京で二人の子どもを育てる38歳のある主婦は、かつて建築會社に勤めていたが、一人目の子どもが生まれた際、人事擔當者にこう言われたという。「もしも半年以內に職場に復帰できないなら自主退職してほしい。あなたに代わる人はいくらでもいる」。多くの日本人女性は「育児」と「キャリア」の困難な二者択一に直面している。
最後に、稅制や福利の角度から考えても、日本では妻の収入がないか、収入が低いかした方が、夫の受けられる援助が多くなり、家庭全體で支払わなければならない稅金も少なくなる。これも女性が職場を離れる客観的な環境を作り出している。
日本では労働力不足の問題が深刻化しており、日本政府も近年、女性の潛在力をますます重視し、経済成長促進の戦略的な核心へと女性を據えようとしている。安倍晉三首相も第2次內閣発足後、「女性」というカードを切ってみせた。だが多くの人にはこれは民意を得るためのパフォーマンスと映っている。法政大學の武石恵美子教授は、「安倍政権の女性政策に対する期待が大きければ、失望もそれだけ大きくなる」と語っている。バラ色に見える日本人女性の世界にも問題は山積しており、政治のゲームだけではこれを徹底的に解決することはできない。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2015年8月8日