2023年も終わりに近づき、新たな年が間もなく訪れる。中國社會(huì)科學(xué)院日本研究所外交室主任、中日関係研究センター事務(wù)局長(zhǎng)兼研究員の張勇氏が、2023年に中日間で起きた大きな出來事について、「政府外交」や「民間往來」など3つの側(cè)面から分析?論評(píng)した。人民網(wǎng)が伝えた。

（1）中日関係は再び岐路に立っている。

　2023年は中日平和友好條約締結(jié)45周年にあたり、両國で関連記念行事が行われた。この歴史的節(jié)目にあたり、條約締結(jié)の深い意義を思い起こし、両國関係の長(zhǎng)期的発展に立腳して、中日関係の健全な発展という新たな將來を切り開くべきである。新型コロナウイルス感染癥のパンデミック後に開催された第19回「北京－東京フォーラム」のテーマ「アジアの安定と世界の平和協(xié)調(diào)に向けた中日両國の責(zé)任～中日平和友好條約45周年に考える～」には、特別な深い意味がある。

　2023年には、大量の未公開の「福田メモ」や日記に基づく『評(píng)伝 福田赳夫』の中國語版が出版された。福田氏はアジアの隣國との関係を重視し、時(shí)代の潮流に順応し、條約締結(jié)問題において最終的な決斷を行い、中國側(cè)と共に偉大な快挙を成し遂げた。

　重要な時(shí)期において、首脳會(huì)談を通じて中日関係に対する政治的リーダーシップを強(qiáng)化することは、時(shí)宜を得た前向きな　ことであり、極めて意義深いことでもある。中日両國首脳は今年、サンフランシスコで會(huì)談し、中日間の4つの基本文書の原則及び共通認(rèn)識(shí)の遵守を重ねて表明し、戦略的互恵関係という両國関係の位置付けを包括的に推進(jìn)し、新しい時(shí)代の要請(qǐng)にふさわしい建設(shè)的かつ安定的な中日関係の構(gòu)築に盡力することを改めて確認(rèn)した。

　また、今年は第10回中日韓外相會(huì)議も韓國?釜山で開催され、3ヶ國は中日韓協(xié)力の進(jìn)展を肯定的に評(píng)価し、中日韓サミットに向けて環(huán)境を整備することで合意した。中日韓協(xié)力は基盤、ニーズ、潛在力を有しており、引っ越すことのできない隣人として、東アジアの特性に沿って、様々なレベルで「隣人づきあい」をすることは、3ヶ國國民の根本的利益にかない、地域、さらには世界の平和と幸福にも寄與する。

（2）交流の基礎(chǔ)は民間にあり、民心の通じ合いが大切である。

　文化交流は中日関係の重要部分をなし、両國民間の相互理解を増進(jìn)するための主要なアプローチでもある。パンデミックの後、両國は民間交流を徐々に再開しつつある。中日友好都市青少年囲碁交流大會(huì)が3日間の日程で東京で盛大に開催され、「囲碁外交」に注目が集まった。

　新時(shí)代の中日関係において、友好都市は民間交流の重要な推進(jìn)力であり、青少年は両國交流の將來を擔(dān)っている。日本の新潟では「朱鷺杯」中日友好大學(xué)生プレゼンテーションコンテストも開催され、日本の大學(xué)生代表チーム14組が「知りたい中國」と「中國の若者のトレンド」というテーマに沿って日本語でプレゼンテーションを行い、日本の若者の目に映る中國について発表を行った。一方、北京では2023年「笹川杯」全國大學(xué)日本知識(shí)コンテストが開催され、學(xué)生たちが希望と自信に溢れた様子で知識(shí)クイズに臨んだ。

　異文化交流では言葉による意思疎通が重要だが、それにも増して重要なのが相手の文化を理解することだ?！柑旖颏蚋肖袱耄荷駪跏星嗌倌晏旖蛴押迷L問」に參加した日本?神戸市の生徒達(dá)は、興味津々の様子で無形文化遺産「麻花（ねじり揚(yáng)げ菓子）」作りを體験し、中國の歴史や文化と都市の魅力を?qū)g感した。

　隣人同士は相手を尊重し、理解することがとても大切だ。東京の代々木公園で開催された「チャイナフェスティバル2023」では、會(huì)場(chǎng)に東京中國文化センター、中國駐東京観光代表処、在日中國企業(yè)協(xié)會(huì)などのブースが設(shè)けられ、文化展示、グルメ體験、観光PRなどを通じた友好交流が行われた。

　第36回東京國際映畫祭では、中國映畫『雪豹（Snow Leopard）』『草木人間（Dwelling by the West Lake）』『老槍（A Long Shot）』がコンペティション部門で上映された。現(xiàn)代の社會(huì)的現(xiàn)実を題材に、運(yùn)命を変える選択を描いたストーリーは多くの観衆(zhòng)を惹きつけた。

　インテックス大阪で開催された「ツーリズムEXPOジャパン2023」では、國家観光イメージキャラクター「Nihao China」が各國の観光業(yè)界関係者や日本の人々の人気を博した。これはパンダのイラスト、カラフルな文字の「Nihao China」、漢字の印章「你好中國」で構(gòu)成されており、発表以來、多くの人々がファンになっている。中國の國寶であり、名刺的な存在ともいえるジャイアントパンダは、日本の人々に可愛がられ、喜びをもたらしており、中日友好の使者となっている。上野動(dòng)物園から中國に返還された「シャンシャン」も注目の的で、別れを惜しむファンが後を絶たなかった。

（3）意思疎通と協(xié)調(diào)を強(qiáng)化し、発展の足かせとなる重要な問題を重視する。

　非伝統(tǒng)的安全保障、海洋の安全、バイオセキュリティは中日関係にとって直面せざるを得ない障害であり、特に日本の福島原発汚染水の海洋放出問題は國際的にも論議の的となっている。福島原発事故の発生からすでに12年になる。懸案であり続けた原発汚染水の処分作業(yè)が今年から始まったが、全ての放出完了までには約30年もの時(shí)間を要すると見られ、安全性の確保や風(fēng)評(píng)被害への対応が大きな問題となっている。日本政府による獨(dú)斷専行の原発汚染水海洋放出は、中日関係に試練をもたらした。生存の拠り所である海洋を日本と共有する中國が、自らの懸念を日本に伝える責(zé)任と義務(wù)があるのは當(dāng)然である。この新たな課題に対する中日両國の世論には大きな溝があると言えるだろう。中日はこの問題について、様々なレベルで意見交換や意思疎通を行い、民衆(zhòng)の懸念に応えるべきである。この方面において、海洋放出という決定の実施者である日本政府がすべき事はまだ多い。また、中日関係においては、歴史問題や臺(tái)灣問題などが両國関係の政治的な基礎(chǔ)や基本的な信義に関わる。中日の付き合いの初志を忘れず、歴史の教訓(xùn)を銘記して初めて、中日関係の政治的な礎(chǔ)が安定し、両國関係が健全な発展の軌道を維持することが可能となる。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語版」2023年12月28日