インド政府はこの度、軍事費として1,120億ドルを兵器購入に充てることを計畫している。また、11月から12月にかけて、オバマ米大統領、サルコジ仏大統領、メドベージェフ露大統領が前後してインドを訪問する予定であるが、その目的の大きな一つとして、軍事提攜の取り決めが挙げられている。先だって、10月15日、中國とインドの國境近くの地域において、ロシア?インド共同軍事演習「インドラ2010」が行われ、また10月24日には、マンモハン?シン印首相が日本を訪問し、2國間の軍事提攜についての話し合いがもたれたばかりである。アナリストは、インド政府による巨額の兵器購入計畫と、ロシアおよび日本との軍事提攜は、中國を牽制する目的によるものが大きいと指摘している。
訪印を急ぐ米?仏?露大統領の魂膽は?
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米KPMGコンサルティングが先だって公表したレポートによると、インド政府は今後6年以內に、1,120億ドルを軍事兵器購入に充てる計畫をしている。インド政府が10月8日に公開した情報によると、2011年7月には中型多目的戦闘機126機の購買契約が交わされる見込みだ。この約120億ドルもの巨額契約の恩恵にあずかろうと、歐州航空宇宙防衛會社(EADS)や、米國、ロシア、フランス、スイスの航空宇宙企業5社が策をめぐらせている。
こうした政治的にデリケートな時に、米國、フランス、ロシアの大統領が11~12月に前後してインドを訪問することが予定されている。フランス通信社が先だって伝えた內容によると、オバマ米大統領は11月初旬にインドを訪問することが決まっている。米軍事メーカは、インド政府から100~120億ドルの契約あるいは契約保証が貰えることを期待している。その中には、総額約58億ドルともいわれるボーイング軍用輸送機10機が含まれている。
時期を同じにするかのように、サルコジ仏大統領も12月の訪印を予定している。フランスの航空機メーカはすでに、インド空軍が保有する小型戦術戦闘機「ミラージュ2000」のグレードアップの協力を申し出ている。グレードアップの費用は21億ドルが想定されている。戦闘機メーカでもある航空宇宙企業の最大手?歐州航空宇宙防衛會社(EADS)も、ヘリコプター197機(約6億ドル)の受注意向を示している。
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フランスに続いて、ロシア政府も12月下旬のメドベージェフ大統領の訪印を公表している。関係者によると、メドベージェフ大統領はインド政府と、総額約300億ドルともいわれるステルス戦闘機の生産の提攜関係を結ぶための話し合いが行われる予定である。このロシア?インドの提攜関係が締結されれば、2020年までに200~250機のステルス戦闘機の生産が行われることになる。これはここ數年におけるインド最大の軍事支出となる。資金繰りに困っているロシアの軍事メーカからすれば、まさしく「わらをもつかむ思い」で受注したいオーダーのはずである。
インドの巨額の軍事出資、中國を牽制か