■ビンラディンなきアルカイダはどうなるのか
ビンラディン射殺はアルカイダにとってどれほどの打撃だろうか。
米國の多くの専門家は、米同時多発テロ後、ビンラディンを中樞とするアルカイダの中核と他のアルカイダ系組織はすでに統一指揮関係 にはなかったと指摘する。アルカイダ系組織はとっくに中核から離れており、信仰や士気の面で頼っていたに過ぎない。しかもアルカイダを含むイスラムテロネットワーク間には、イデオロギーレベルで様々な相違がある。このためビンラディンの死がイスラムテロ組織に與える打撃は、組織的なものというより、士気に関わる部分が大きい。
カーネギー平和基金で近東?南アジア問題を研究するスティーブン氏は中國青年報の取材に、米同時多発テロ後、ビンラディンが自ら具體的な行動計畫に參與することはなかったと指摘する。これはビンラディンの死がアルカイダ系組織や他のテロ組織が計畫中のテロ攻撃に影響を與えることはないということを意味する。アルカイダ系組織およびイスラム過激主義はテロに著手するにあたり、中央組織の統一計畫を必要としない。
■ビンラディンなきタリバンは方針転換するか
スティーブン氏は、ビンラディンの死が米國の長期的な対テロ戦略に與える影響について結論を下すのはまだ時期尚早だと指摘する。ビンラディン殺害の成功は、米國の情報収集?分析能力の高さを証明するものだが、最も重要なのはタリバン問題の「政治的解決」に歴史的チャンスをもたらした點だ。
もしタリバンがアルカイダとの間に一線を畫そうとするのなら、ビンラディンの生前よりも今は容易だ。タリバンはこの歴史的チャンス を捉え、アフガニスタンの現政権など関係方面と最終的な地位に関する交渉を行うべきだ。