中國人民解放軍の陳炳徳総參謀長による訪米は中米両軍の重要な交流活動であるのみならず、新たな情勢下における両國の積極的な相互作用の重要な一部でもある。中米の相互作用がどのような方向に沿って発展するかは、2國間の範疇を遙かに超え、アジア太平洋地域の安全?安定?繁栄に直接関係し、世界全體の戦略構造の行方にも計り知れない影響を與える。
(文:楊毅?國防大學戦略研究所研究員、海軍少將。「人民日報海外版」コラム「望海樓」掲載)
今年初めの胡錦濤國家主席による重要な訪米は、中米関係に新たな建設的原動力を注ぎこんだ。相互尊重と互恵?ウィンウィンに基づく協力パートナーシップの構築に関する両國首脳の共通認識によって、中米関係発展の方向性が定まった。軍事関係は両國関係の積極的な構成要素となるべきであり、足を引っ張ったり、前進を阻むマイナス要素になってはならない。両國の戦略家たちは新たな戦略的視點から中米の軍事関係を扱う必要がある。
中米両國の共通利益は日に日に増えている。協力関係の発展は一方から他方への施しではなく、共通利益に促されるものだ。「協力すれば共に利し、闘えば共に傷つく」。どちらの國も対立の代償には耐えられない。
両國の安全保障関係、特に両軍関係が他分野の関係に比べて大きく後れをとり、従來型の安全保障分野では戦略的相互信頼を相當欠いていることを指摘しておく必要がある。
中國の経済力の持続的増強およびそれに伴う軍近代化の加速によって、米國は中國の軍事力増強および軍事力行使の戦略的意図への関心を高めた。「アジア回帰」を図る米國は重大な地域?國際問題における積極的な協力を中國に期待すると同時に、対中「両賭け」戦略を著実に講じている。