「比較して初めて判斷ができる」。このほどラサで開かれた「西蔵(チベット)平和解放60周年慶祝座談會」で、西蔵北部ナクチュ地區にあるシャプテン寺の第7世活仏、ギュガン?トブデンクギュ氏は5つの「最低限の」を用いて新舊西蔵を比較してみせた。
同氏は1950年代にシャプテン寺の第7世活仏に認定され、現在は西蔵自治區政協副主席、中國仏教協會副會長、全國政協常務委員などのポストを兼任している。
西蔵に起きた天地を覆すような変化の目撃者である同氏は西蔵の経済と社會は昔とは比べ物にならないほど発展したと指摘したうえで、5つの「最低限の」を用いて次のように新舊西蔵を比較してみせた。
舊西蔵では無數の人民大衆には最低限の人権すらなかった。民主や法制など言うまでもない。60年前の西蔵社會は人口の5%足らずの役人、貴族、高僧の「三大領主」にとって天國で、百萬の農奴にとってはこの世の地獄だった。
肥沃な土地や群れなす牛と羊はみな「三大領主」が所有し、農奴は自分の影のほかに何も持っていなかった。しかも様々な租稅を納め、思い賦役に服さねばならず、少し不注意があれば目をくり抜かれ、筋を切られ、蟲やサソリのいる深い穴に投げ入れられるなどの殘酷な刑罰を受けなければならなかった。60年前、西蔵の上流階級は農奴を売買することもできた。西蔵の無數の農奴には人身の自由さえなかったのだ。
舊西蔵には最低限の教育システムすらなかった。発展など言うまでもない。舊西蔵には貴族の子女が通うポタラ學校以外に學校はなく、貧しい家庭の子女は教育を受けるすべがなかった。平和解放前、西蔵の適齢児童の入學率は2%以下で、非識字率は95%に達していた。現在では小學校入學率は99.2%、中學入學率は98.2%に上り、自治區全體で累計170萬人の非識字者が新たに読み書きを覚え、青壯年の非識字率は1.2%にまで下がり、平均教育年數は7.3年に達している。