前書(shū)き
21世紀(jì)の初めの10年間に、國(guó)際社會(huì)は開(kāi)放と協(xié)力の中で発展をとげ、危機(jī)と変革の中で前進(jìn)してきた。ともに発展のチャンスを享受しあい、さまざまな挑戦にともに対応することは、すでに各國(guó)の広はんな共通認(rèn)識(shí)となっている。力を合わせて困難を克服し、互恵?ウィンウィンの関係を築き上げることは、人類がともに繁栄し、発展を?qū)g現(xiàn)するために、必ず通らなければならない道である。
中國(guó)は、すでに新しい歴史の起點(diǎn)に立っており、中國(guó)と世界の前途と運(yùn)命は、今まで以上に密接不可分な関係にある。共同のチャンスと挑戦に向き合う上で、中國(guó)は、相互信頼、互恵、平等、協(xié)力の新しい安全観を堅(jiān)持し、中國(guó)國(guó)民の根本的な利益と世界の人びとの共同の利益、そして中國(guó)の発展と世界の発展を結(jié)びつけている。また、中國(guó)の安全と世界の平和を結(jié)びつけ、中國(guó)みずからの平和的発展によって、持続的な平和と共同繁栄、調(diào)和のとれた世界の建設(shè)を推し進(jìn)めていくことに努めている。
21世紀(jì)の次の10年間には、中國(guó)が國(guó)を発展させるための重要な戦略的チャンスを引き続きとらえ、科學(xué)的発展観を深く貫き通し、平和的な発展の道への歩みを堅(jiān)持し、獨(dú)立自主の平和的外交政策と防御的國(guó)防政策を?qū)g施し、経済建設(shè)と國(guó)防建設(shè)を統(tǒng)一して企畫(huà)し、小康社會(huì)(ややゆとりのある社會(huì))を全面的に建設(shè)する過(guò)程で、富國(guó)と強(qiáng)兵を同時(shí)に実現(xiàn)させることにしている。
一、安全情勢(shì)
現(xiàn)在、國(guó)際情勢(shì)には、新たな深刻かつ複雑な変化が現(xiàn)れている。経済のグローバル化、世界の多極化、社會(huì)の情報(bào)化の流れは不可逆であり、平和?発展?協(xié)力という時(shí)代の流れを阻むことはできない。しかし、國(guó)際戦略における競(jìng)爭(zhēng)や矛盾も発展してきており、グローバルな挑戦がさらに突出し、安全への脅威の総合性、複雑性、多変性は日増しに顕在化している。
世界は、総合的な平和、安定という基本的な態(tài)勢(shì)を保っている。國(guó)際社會(huì)が手を攜えて、國(guó)際金融危機(jī)に対応することで、初歩的な成果が現(xiàn)れた。各國(guó)は、発展戦略とモデルの調(diào)整を急いでおり、全力をあげて新たな経済成長(zhǎng)スポットを創(chuàng)出し、科學(xué)技術(shù)のイノベーションは、新たなブレークスルーをもたらし、経済のグローバル化に新しい発展がみられるようになった。世界の力関係には新たな態(tài)勢(shì)が現(xiàn)れ、新興大國(guó)と発展途上國(guó)の経済の実力、國(guó)際的地位と影響力は、いちじるしく増強(qiáng)してきており、世界の多極化の見(jiàn)通しは、さらに明確になってきた。國(guó)際的なシステムの改革は、大勢(shì)の赴くところとなり、世界的な経済?金融対策メカニズムの構(gòu)築がちくじ推し進(jìn)められ、20ヵ國(guó)?地域(G20)の役割を増強(qiáng)している。また、國(guó)連などの國(guó)際政治や安全システムの改革が注目されている。國(guó)際関係には大きな調(diào)整がみられ、國(guó)と國(guó)の間における経済の相互依存は深まり、直面する共通の挑戦が多くなり、交流、協(xié)調(diào)、協(xié)力は大國(guó)関係の主流となっている。平和を擁護(hù)し、戦爭(zhēng)を制約する要素がたえず増加し、人類の前途と運(yùn)命は全體的に見(jiàn)て光明に満ちている。
國(guó)際安全の情勢(shì)はより複雑になってきている。國(guó)際的秩序、総合的國(guó)力、地政學(xué)的政治などをめぐる國(guó)際戦略の競(jìng)爭(zhēng)は、日増しに激しくなってきており、先進(jìn)國(guó)と発展途上國(guó)、従來(lái)の大國(guó)と新興大國(guó)の間の矛盾が時(shí)には顕在化し、局地的な衝突や地域的なホットスポットが次々と現(xiàn)れている。一部の國(guó)は、政治、経済、民族、宗教などの矛盾による動(dòng)揺にしばしば巻き込まれており、世界はまだ平和であるとはいえない。また、世界的な金融危機(jī)を引き起こした根深い矛盾と構(gòu)造の問(wèn)題は、いまだ解決されておらず、世界経済の回復(fù)の不安定さ、アンバランスさが突出している。テロリズム、経済安全、気候変動(dòng)、核拡散、情報(bào)安全、自然災(zāi)害、公共衛(wèi)生安全、多國(guó)籍犯罪などグローバルな挑戦は、各國(guó)の安全に対する脅威として日増しに拡大してきている。伝統(tǒng)的安全の脅威と非伝統(tǒng)的安全の脅威が混在し、國(guó)內(nèi)の安全問(wèn)題と國(guó)際安全問(wèn)題が相互に作用し合っており、伝統(tǒng)的な安全観とそのメカニズムでは、當(dāng)面の世界におけるさまざまな安全面での脅威と挑戦に、効果的に対応することは難しくなっている。
世界の軍事面での競(jìng)爭(zhēng)も依然として激しくなっている。主要國(guó)は安全と軍事の戦略調(diào)整を急いでおり、軍事改革の足取りを速め、軍事面でのハイテク?新技術(shù)の開(kāi)発に力を入れている。一部の大國(guó)は、宇宙空間、インターネットや極地における戦略を作成しており、「通常即応グローバルストライク」(PGS)という手段を発展させ、ミサイル迎撃システムの整備を加速させ、コンピューターネットワーク作戦の能力を増強(qiáng)させ、新たな戦略的要害の高地を占有することに努めている。一部の発展途上國(guó)は、軍隊(duì)強(qiáng)化の勢(shì)いを保ち、軍隊(duì)の近代化を推し進(jìn)めている。國(guó)際的な軍備抑制のプロセスはいくらか推進(jìn)されたが、大量破壊兵器の拡散防止情勢(shì)は錯(cuò)綜し、複雑な様相を呈しており、國(guó)際的な拡散防止のメカニズムの維持と強(qiáng)化は任重くして、道遠(yuǎn)しである。 アジア?太平洋地域の安全情勢(shì)は全般的に安定している。アジアは率先して経済回復(fù)を?qū)g現(xiàn)し、全般的に発展の態(tài)勢(shì)をさらに強(qiáng)固にしている。アジア各國(guó)は、経済のグローバル化と地域経済一體化のチャンスをとらえ、経済の発展と地域の安定を促進(jìn)させることに盡力し、利益共同體と運(yùn)命共同體であるという意識(shí)を強(qiáng)めている。マルチラテラリズム(多國(guó)間主義)と開(kāi)放的なリージョナリズム(地域主義)を堅(jiān)持し、域內(nèi)、域外の國(guó)との二國(guó)間または多國(guó)間協(xié)力を積極的に発展させ、地域的な特色の備わった経済と安全協(xié)力システムの構(gòu)築に努めている。上海協(xié)力機(jī)構(gòu)(SCO)は、地域の安定と発展を促進(jìn)する上での影響力を増強(qiáng)し、東南アジア諸國(guó)連合(アセアン)共同體の構(gòu)築もちくじ推し進(jìn)められている。中國(guó)とアセアンとの協(xié)力、アセアンと中日韓との協(xié)力、中日韓などの協(xié)力は、たえず深化し、アジア?太平洋経済協(xié)力會(huì)議(APEC)は、ひきつづき発展をとげている。
アジア?太平洋地域の安全情勢(shì)の複雑性、多変性が顕在化してきている。地域のホットスポットは長(zhǎng)年解決されておらず、朝鮮半島の情勢(shì)はしばしば緊迫し、アフガニスタンの安全情勢(shì)は依然として厳しく、一部の國(guó)の政局が動(dòng)揺している。民族と宗教の矛盾が突出し、領(lǐng)土と海洋権益をめぐる紛爭(zhēng)が時(shí)にはエスカレートし、テロリズム、分裂主義、極端主義の活動(dòng)がはびこっている。アジア?太平洋地域の戦略的枠組は、大幅な調(diào)整が考えられており、関連する大國(guó)は、戦略的資金投入を増加させている。アメリカは、アジア?太平洋地域における軍事同盟システムを強(qiáng)化し、地域の安全問(wèn)題への介入を強(qiáng)めている。
中國(guó)は依然として、発展の重要な戦略的チャンスの中にあり、安全環(huán)境は総じて有利である。世界的金融危機(jī)の衝撃に効果的に対応し、経済の、安定した比較的迅速な発展を保ち、國(guó)の安全と社會(huì)の安定を積極的に維持し、総合的な國(guó)力は新たな段階へと引き上げられている。従來(lái)の大國(guó)と新興大國(guó)との協(xié)調(diào)、協(xié)力を強(qiáng)化し、周辺諸國(guó)との善隣友好と実務(wù)的協(xié)力を深め、広はんな発展途上國(guó)との互恵協(xié)力を拡大させ、ともにグローバルな挑戦に対応する中で、獨(dú)自の役割を発揮していく。中國(guó)政府は、新しい情勢(shì)のもとで、両岸関係の平和的な発展の方針?政策を制定、実施しており、臺(tái)灣海峽情勢(shì)の平和安定の維持を促進(jìn)し、両岸関係は重要かつ積極的な進(jìn)展をとげた。両岸雙方は「臺(tái)灣獨(dú)立」に反対し、「九二共通認(rèn)識(shí)」という基盤(pán)を踏まえて、雙方の政治的な相互信頼の増強(qiáng)を堅(jiān)持し、話し合いを行い、両岸の直接的な雙方向の「三通(通商、通航、通信)」を全面的に実現(xiàn)させ、経済や金融面での協(xié)力を推進(jìn)するなど、一連の取り決めで合意した。両岸関係の平和的な発展は、両岸の同胞の利益と念願(yuàn)にかなったもので、國(guó)際社會(huì)においてもあまねく歓迎されている。
中國(guó)が直面する安全面での挑戦は、これまでにも増して多次元、かつ複雑になってきている。中國(guó)は広い國(guó)土と海域を持ち、また今は、小康社會(huì)を全面的に建設(shè)するカギとなる時(shí)期にあるため、國(guó)の安全を守る任務(wù)は重い。「臺(tái)灣獨(dú)立」分裂勢(shì)力およびその分裂活動(dòng)は、依然として両岸関係の平和的発展の最大の障壁と脅威になっている。両岸関係の発展はさまざまな複雑な要素による制約を受けている。「東トルキスタン」「チベット獨(dú)立」分裂勢(shì)力は、國(guó)の安全と社會(huì)の安定に大きな危害をもたらしている。國(guó)の領(lǐng)土主権、海洋権益を守るための圧力が増大し、テロリズムの脅威が現(xiàn)実的に存在し、エネルギー資源、金融、情報(bào)、自然災(zāi)害など非伝統(tǒng)的な安全問(wèn)題が増えている。また、外部からの不信感、妨害やけん制が増えている。アメリカは、中米の三つの共同コミュニケの原則に違反し、臺(tái)灣に武器を売卻し続けており、中米関係と両岸関係の平和的発展がひどく損なわれている。
めまぐるしく変わる複雑な安全情勢(shì)に直面してはいるが、中國(guó)は、平和、発展、協(xié)力の旗じるしを高く掲げ、総合的な安全、協(xié)調(diào)的安全、共同安全の理念を堅(jiān)持し、相互信頼?互恵?平等?協(xié)力の新しい安全観を堅(jiān)持し、全面的に國(guó)の政治、経済、軍事、社會(huì)、情報(bào)など各方面の安全を守り、世界の各國(guó)とともに、平和と安定、平等と相互信頼、協(xié)力?ウィンウィンの國(guó)際的な安全環(huán)境をつくることに努めている。