ロシアのラブロフ外相が28、29の両日、日本を訪問した。玄葉光一郎外相がラブロフ外相と會談を行い、「穏やかな環境」で今後両國間の領土問題を協議する考えを示した。
両國は領土問題の協議に積極的な姿勢を示したものの、北方四島(ロシア名?南クリル諸島)の帰屬問題については各自の意見を保持しており、この日ロ関係を制約している絡まりがほどけるか見通しは立っていない。
両國は歯舞、色丹、國後、択捉の4島の帰屬問題で長く対立しており、両國関係の発展を阻むネックになっている。両外相は今回の會談でも各自の領土問題に対する立場を堅持し、実質的な進展はみられなかった。
ただ、今回両國外相が領土問題の協議に積極的だったのはそれぞれ各自の考えがあってのことだとの見方をアナリストは示す。日本側は領土問題という日ロ関係を制約している歴史が殘した問題を解決することで、安全保障や経済などの分野で確固たる基礎を強化したい考えだ。
ロシア側は、アジア太平洋経済協力機構(APEC)非公式首脳會議が今秋、ロシア極東の都市ウラジオストクで開催するのにあわせ、アジア太平洋地域に立腳した経済貿易関係発展の角度から、日本側との協力強化すること、特にエネルギー開発や南クリル諸島の経済発展における日本との協力を希望している。ラブロフ外相は會談で、両國の南クリル諸島の漁業や農業といった分野での協力強化を提案。一方玄葉外相は、ロシア側の提案を検討するが、日本の法律に違反しないことが前提だと付け加えた。