米國は南中國海問題において特定の立場を取らないと表明しているが、これは正しくない。世界最大の國として米國は、特定の立場を取らずにひそかに利己心を持ち込んで均衡を図るべきではないし、誤った立場を取るのはなおさらにいけない。正しい立場とはベトナムとフィリピンに対して、それぞれ南沙(英語名スプラトリー)諸島、西沙(英語名パラセル)諸島及び黃巖島(スカボロー礁)の領有権を主張しなかった各々の伝統的な立場に立ち戻るよう要求すること、特にベトナムに対しては南沙諸島と西沙諸島は中國に屬すると繰り返し表明していたかつての正しい立場に戻させることだ。こうすれば南中國海諸島をめぐる爭いはたちまち消失する。これが責任ある超大國として持つべき立場だ。だが米國はかつては中國に挑戦しない立場だったが、現在では各國に平和的方法による係爭解決を求めるようになり、さらにこれに法的拘束を加えようとしている。これは実質的に、ベトナムが約束を違えて中國の島や礁を武力で侵奪した後、非平和的手段を含むあらゆる方法で國土である島や礁を守るわが國の権利を剝奪するものである。
現在わが政府は南中國海の全ての権益を求めはしないと明確に表明している。わが國の南中國海における権益とは領海、大陸棚EEZ、諸島及び周辺水域、その他水域に対する権益である。前両者については國際法によって明確に畫定されている。基本的に排他的で、各國間に原則上の深刻な爭いはない。後両者については「諸島周辺水域」の「周辺」の境界線、上述の重複區の権益分配など爭いがある。米國はこうした係爭の當事國ではない。米國の強調する國際水域の自由航行権は、中國の重大な國益にも関わってくる。わが國のEEZにおける米國の接近偵察は明らかにわが國の安全を損なっており、いかなる正當性もなく、その二重に利己的な本質を明らかにするものだ。
「人民網日本語版」2012年8月10日