第11次5カ年計畫(2006~10年)期間の急速な発展によって、中國の港の規模は大幅に拡大した。貨物取扱量が1億トンを超える中國の港は、上海港を含め20カ所にのぼる。貨物取扱量に基づく世界ランキングの上位10位をみると、中國の港が六つも入っている。
しかし、中國の港は成長パターンの転換をはかる十字路に立っている。年末に開催された中國水運會議では、「內河を興し、港灣を最適化し、海運を強化する」方針が打ち出された。「港灣を最適化する」とは、港灣の配置を最適化し、サービス機能を拡大し、現代物流における港灣の中核的役割を強化することをさす。
港灣配置の最適化では、上海港が中國の他の港をリードしている。上海港の発展の歴史をみてきた科學技術者の包起帆氏は次のように述べている。上海港は今後、伝統的な運輸業から現代サービスへの転換をはかることになるだろう。2010年に供用された上海外高橋の6期埠頭は、自動車運搬船が寄港できるばかりでなく、部品配送、検査、保守などの機能も備えている。
さらに「中國の港は今後、貨物の荷役だけに頼っていては収益を増やすことができない。物流産業のチェーンを延伸し、付加価値の高いサービスを提供して収益を増やすことを考えなければならない」と指摘した。
物流産業チェーンの延伸は、港の影響力の拡大を意味する。中國交通運輸協會の銭永昌會長は次のように指摘した。世界経済の回復が遅れるなか、多くの港は貨物供給源の不足や取扱量の伸び悩みなどの厳しい狀況に直面している。沿海港の「內陸部への移転」を通じて、內陸経済との関係を強化し、港の発展を促す新しい原動力を注入しなければならない。
內陸部の一級行政區にサービス提供する分野で、中國の港はそれぞれ獨自の色を出している。上海港は長江公司を設立して、長江の船団、埠頭、倉庫を整合し、長江をさかのぼった西部地區にサービスを提供し、産業の內陸部移転の大勢に順応し、新しい貨物供給源を開拓している。
新華社記者の取材に応じた多くの業者は次のように表明していた。世界の港灣海運経済が大きく変わるなか、中國の港は今後も総合的な競爭力を引き上げることに努め、資源を効果的に集中、調整し、成長パターンの転換をはかり、物流サービスにおいて優位を占めなければならない。
「新華網日本語」2011年12月24日