中華全國工商業聯合會の黃孟復出席はこのほど、同聯合會幹部が感心を寄せる問題について答える中で次のように述べた。非公有制経済の主體である膨大な數の中小企業やミクロ型企業が発展することは、國民を豊かにする上で重要な段階であり、その存続情況は消費の促進と密接に関連する。われわれが小企業やミクロ型企業の発展に向けて、全身全霊で全方位的なサービスを提供すれば、これらの企業の改善が進み、従業員の給與が引き続き引き上げられ、こうした動きに伴って、われわれの抱く消費能力拡大の願いも達成されることになる、というのだ。筆者は黃主席の発言は非常に鋭いと考える。またこの発言によって、日本に滯在している間にいつも深く考えさせられたことを思い出した。それは、日本の中小企業の生命力はなぜあれほど強いのか、という疑問だ。「中華工商時報」が伝えた。
筆者は2010年に日本政府の中小企業庁が発行した「全國の元気なモノ作り中小企業300社」について統計を取ってみたことがある。すると、ここに挙げられた日本の全國各地に分布するさまざまな業種の中小企業300社の「平均壽命」は46歳で、中國の中小企業より3.7歳長生きだった。
昨年、日本のある友人に伴われた東京都墨田區のある小企業を見學した。1930年設立のプレス加工で世界一と呼ばれる企業だ。狹い通りに立ってこの會社を眺めたとき、正直なところ、私はこの會社がプレス加工世界一の會社だとはにわかには信じられなかった。まるで昔の中國の路地裏の小さな作業所みたいだった。だがこの、これ以上小規模にはなれないほど小規模な企業?岡野工業株式會社(従業員は岡野雅行社長の妻、娘の夫を含めてわずか5人)こそが世界に誇る奇跡を生み出してきたのだ。同社は世界で最も細い注射針を生産しており、聞くところによれば、この針で注射すると痛みを感じないという。たとえ感じても蚊に刺されたほどの痛みだという。岡野社長は日本の製造業界で「金屬プレス鋳型の魔術師」と呼ばれており、そのモットーは「誰にできない仕事をする」だ。