▽多すぎる自由貿易協定、APECが有名無実に?
「どんなはたらきがあるのか?
TPPは実際のところAPECを有名無実にするものであり、APECや構築が進められているアジア?太平洋自由貿易圏(FTAAP)に取って代わろうとするものだといえる。
地域內協力、地域內競爭、地域化が國際情勢の基本的な方向性だ。米國は最終的にTPP加盟國が現在の9カ國からAPECの全加盟國である21カ國まで拡大することを願っている。
梅副研究員によると、APECとFTAAPとはすでに相當の進展を遂げている。TPPはAPEC內部のすでに相當煩雑になっている自由貿易協定の煩雑さを増すことになり、さまざまな紛爭解決メカニズムに直面した企業はどれに従ったらよいのかわからなくなる。屋上屋を架すようなものではないのか、検討が必要だ。
TPPの合意には、関稅を全面的に撤廃するだけでなく、経済問題に関わる內容があり、さらには加盟國の內政に関わる內容も含まれる。監督管理、競爭政策、経済の立法的基礎の構築、市場の透明性、反汚職、金融業改革、標準の統一などだ。TPPの合意內容が加盟國に政治的操作を促すことは避けられない。
梅副研究員によると、TPPはもともと4カ國が調印して発効した経済貿易協定に過ぎず、加盟國數は極めて少なく、世界の貿易に占める割合も大きくなかった。APEC內部の地域経済一體化路線の爭いや米國の経済発展戦略の転換に巻き込まれて、この本來ミニサイズだった経済貿易協定が突如としてグレードアップし、各方面の注目を集めることになった。TPPの強力な推進にあたり、米國には米國主導の地域レベル自由貿易協定をうち立てて、APECを有名無実にしようとする隠れた意図がある。このため他の國や地域の、とりわけ西側諸國以外の國の警戒心を呼び起こしている。