國際市場と國際経済の行方に対するこの事件の最終的影響は、犯人が何者かと米國政府の反応次第だ。
ボストン爆発事件の犯人像に対して各方面は様々な推測をしている。疑いの目は主に國際イスラムテロリスト、米國內の極右勢力、米國內のその他の過激派の3つに集中している。この他、朝鮮やシリアを疑う聲もあるが、國際知識を持つ客観的な観察者からすると、これは基本的に信じられないことだ。
もし犯人が単なる米國內の過激派であった場合、國際商品市場、米國內の資産市場に対する事件の影響はすぐに消失する。だが米國內の「再工業化」などに対しては、それほど目立たないが非常に長期的な影響をもたらす可能性がある。米國の再工業化と企業誘致?資金導入は一連の重大な経済的障害に直面している。その最たるものが米國の通貨覇権そのものだ。いわゆる「オランダ病」の原理を見てみれば、この點が理解できる。歴史上、新たに発見した自然資源を大規模に開発した國のほぼ全てに、製造業の衰退という狀況が出現した。1970年代以降、北海油田で巨額の収入を得た英國、ノルウェー、オランダといった先進國も、ここ數年原油輸出で莫大な収入を得ながら軽工業と伝統的重工業の衰退に苦しむロシアも、こうした苦境に陥った。これは客観的な経済法則によるものだ。原油収入は為替レートメカニズムを通じて非石油産業に打撃を與える。石油業は非石油産業を労働力爭奪、資本、土地など各種生産要素の競爭において劣勢に追いやるのだ。